「ギャンブル依存症だった」弁護士会元副会長“約1億1000万円”着服か…20代が最多?“どんな人でもなる”依存症 家族が疑いいち早く相談を 新潟

県弁護士会は昨年度の副会長で任期中に亡くなった男性弁護士が依頼者から管理を委託されていた預かり金1億1000万円が使途不明になっていると発表しました。弁護士が残していたのは、「ギャンブル依存症だった」との文書でした。

県弁護士会は昨年度の副会長で任期中に亡くなった男性弁護士が依頼者から管理を委託されていた預かり金1億1000万円が使途不明になっていると発表しました。弁護士が残していたのは、「ギャンブル依存症だった」との文書でした。

■弁護士会元副会長 約1億1000万円着服か…

使途不明の預かり金を管理していたのは、昨年度の県弁護士会の副会長で去年11月に亡くなった二宮淳悟弁護士です。

県弁護士会によりますと、二宮弁護士は個人や法人、合わせて5者から預かっていた約1億1000万円について、自身の口座への送金や現金の引き出しを200回以上にわたり繰り返し行っていたということです。

一体なぜ、これほどの大金を引き出していたのか、二宮弁護士の死後、所属事務所の机やパソコンから見つかった文書には…

「ギャンブル依存症だった。競馬や競輪に使ってしまった」

ギャンブルへの依存が関係したと見られています。

■自覚症状ない依存症…家族が疑いいち早く相談を

【松村道子キャスター】
「ギャンブル依存症について正しく知ってもらおうと、これから啓発活動が始まります。準備をしているのは家族の会の皆さんです」

【全国ギャンブル依存症家族の会新潟 堅田和子さん】
「まず、依存症という病気は通常の病気と違って、自覚症状が出にくい病気。依存症になっても本人が気づかないという場合がほとんど」

こう話すのは、自身も過去に夫のギャンブル依存症に悩んだ経験のある堅田和子さんです。

本人の自覚症状がない中で重要なのは、家族がギャンブル依存症を疑い、いち早く相談機関につなげることだといいます。

【全国ギャンブル依存症家族の会新潟 堅田和子さん】
「もしかして、うちの子そうなんじゃないのかな、うちの主人そうなんじゃないのかなというときが相談時期だと思う」

■ギャンブルと無縁だと思っていても…「どんな人でもなる」

一方、啓発のチラシを受け取った人たちにギャンブル依存症について聞くと…

【チラシを受け取った人】
「自分は絶対ならないとは思っていたが」

【チラシを受け取った人】
「僕自身ギャンブルをしないので、ちょっとギャンブル依存症というイメージがつかなくて」

自分とは縁のない話だと感じる人も少なくありませんが…

【全国ギャンブル依存症家族の会新潟 堅田和子さん】
「いま、ギャンブルをしないから関係ない、俺ギャンブルしませんということではなく、私たちの経験上、どんな人でもなっている」

中でも、近年は、スマートフォンで気軽にギャンブルができることから若い世代が依存症になる割合が増えていて、今年の速報値では4割が20代となっています。

弁護士が1億円以上を着服し、ギャンブル依存症の可能性を示す記述も見つかった今回の事案。誰にでも依存する可能性があることを心にとめておくことが重要です。

最終更新日:Wed, 14 May 2025 19:11:50 +0900