

新潟県は5月16日、柏崎刈羽原発で重大事故が起きた際の被ばく線量シミュレーションの結果を公表。原発から5km圏内では基準値に達するケースがあったものの、予防的に避難等を行うことで「基準を上回る被ばくは避けられる」としました。
■新潟県 被ばく線量シミュレーションの結果公表
【県防災局 金子信之 参事】
「柏崎刈羽原発の質量だとか、もろもろの実際のものを使いつつ、柏崎刈羽地区の気象条件を使って、原子力規制委員会がやった同じ条件でシミュレーションをやらせていただいた。その結果になっている」
16日、県が公表したのは、これまで独自に実施してきた原発重大事故時の被ばく線量シミュレーションの結果です。
すでに原子力規制庁もシミュレーションを実施していますが、柏崎刈羽原発6・7号機両方で事故が起きたケースや全交流電源が喪失し、7日後にフィルタベントで放射性物質を放出するケースなど県独自の想定も合わせ、全6パターンで実施。
その結果、原発から5km圏内となるPAZでは避難・屋内退避を必要とする基準に達する場合があるとしたものの…
【県防災局 金子信之 参事】
「PAZでは放射性物質放出前に避難、または避難が困難な方はコンクリート建屋の放射線防護対策施設に屋内退避するというのが基本的な考え方。それから自治体の指示に応じた安定ヨウ素剤の服用も合わせて、これらの措置によって基準を上回る被ばくを避けることができるということは、改めてこのシミュレーションで言えるのではないかなと」
県の避難計画で定めた措置をとることで、基準を上回る被ばくを避けることができるとしました。
■再稼働の是非判断する“議論材料” おおむね出揃う形に
柏崎刈羽原発の再稼働をめぐっては、7号機が技術的に再稼働できる状態となっていて残るは地元同意が焦点に。
花角知事はこれまで、このシミュレーション結果を再稼働の是非を判断する“議論の材料”の一つに挙げていて、これでおおむね材料は出揃う形となります。
花角知事は14日、県民の意見を集約する方法として挙げていた公聴会について、早ければ6月にも始める考えを示しています。
【花角知事】
「どんなところに不安があるのか、どういうところがネックなのかとか、どこが望むポイントなのか、大事な色んな考えを、色んな分野の方から聞かせてもらいたい」
県は6月1日と7日に行う県民説明会の場でも今回公表したシミュレーション結果について説明する方針です。
最終更新日:Fri, 16 May 2025 18:54:44 +0900