一等米は「1~2割」 例年より小粒に
新潟市秋葉区で5日に行われたのは、今年収穫された「こしいぶき」約300トンの品質検査だ。
この夏、32日も猛暑日となった新潟市秋葉区。
8月に猛暑日となった日数は平年の5倍以上にのぼり、コメへの影響が心配される中、JAの担当者は「背白だと透き通っていなければOKだが、全部透き通っている。そうすると未熟粒カウントになる。やっぱり整粒が少なくて、見た感じ、半分あるかないかくらい」と話す。
暑さや水不足で、デンプンが固まり、白く濁って見える背白粒と呼ばれる粒が目立ち、5日の検査では一等米はなかなか出なかった。
さらに、等級の評価には関係ないものの、暑さによる影響でコメの粒が例年よりも小粒になっていると言う。
JA新潟かがやきの長澤義弘常務理事は「各地区等級が例年から見るとだいぶ落ちている。こしいぶきなんかは1割~2割程度しか一等が出ていない。コシヒカリも同じような状況になるかと思うが、農家の方には刈り遅れのないように、早めに稲刈りをしていただきたい」と話した。
待ち望んでいた雨は「収穫の妨げ」に
一方、5日の午前中に小雨が降っていた上越市板倉区。収穫期を迎えている早生品種こしいぶきの収穫を急ぐコメ農家の姿が見られた。
コンバインは稲が雨などで湿っていると、脱穀できずに内部で詰まり、故障してしまうと言う。
さらに、「雨が一気に降ってしまうと、今度は田んぼがやわらかくなり、土がぐちゃぐちゃになってしまう。こうなると機械も入りづらいし、機械も傷む」と収穫作業をしていた農家は話す。
稲の生育障害や田んぼのひび割れが発生するなど農家の頭を悩ませてきた水不足。
ようやく降った雨だったが、コメ農家は「8月中には欲しかったけど、もう雨はいらない。かえって降られても困る」と嘆く。
さらに、猛暑も続いていることから、この雨がコメの形に影響を及ぼす恐れがあると言う。
JAえちご上越の清水昌彦さんは「いま現在、もうコメ自体が田んぼの状態でカラカラに乾いている状態になっている。そこへ急激に雨水、水をもらうと急激な膨張等でコメが割れてしまう。胴割れしてしまう」と話す。
待ち望んでいたはずの雨による影響が懸念される中、午後1時前には強い雨が降り、コシヒカリの収穫をしていたコメ農家は急遽、稲刈りを中止した。「無理をして刈るとコメの品質が…。もみがむけたり、品質が悪くなってしまうので…」
収穫作業にも雨の影響が出ているが、それでも晩成品種のコメや畑の野菜などにとっては恵みの雨となったようだ。「一足遅い恵みの雨。畑とか晩成品種の稲とかは雨が欲しいので恵みの雨だったかなと」