まるで小さな恐竜… 住宅街に巨大トカゲ
ことの発端は10月17日の午後3時半ごろ…
「植木鉢を整理していたら、目の前にしっぽが見えて、ヘビかなと思って顔を上げたら、すごく大きなトカゲだった。大きくて本当に怖かった。夜も夢に出てきたくらいだった」
こう話す女性が見つけたのは、なんと1mを超える巨大なトカゲ!その後、このトカゲは逃げたものの、18日には再び80cmほどのトカゲが姿を現した。
がっちりとした胴体に太い足と尻尾がついた、まるで小さな恐竜のようなトカゲ。
2日連続で巨大トカゲを見つけ、女性は「あしたも出るかと思うと、庭にも出られない」と話した。
18日、警察官7人体制でこのトカゲを捕獲。一体、このトカゲの正体とは…
巨大トカゲは“サバンナオオトカゲ”
両生類や爬虫類を展示する静岡県の体験型動物園・iZooの白輪剛史園長に尋ねると「西アフリカを原産とするサバンナオオトカゲというトカゲ」だと言う。
サバンナオオトカゲは、昆虫や鳥のヒナ・爬虫類などをエサとするトカゲで、体長は1mほど、最大で1m20cmほどになることもある。
しかし、一体なぜ、西アフリカに生息しているはずのトカゲが遠く離れた新潟県内で発見されたのか?
白輪園長は「もともと日本にいるトカゲではなくて、西アフリカ原産。新潟の野外にいてはいけないトカゲだが、ペットとしては比較的大量に輸入されているトカゲで、年間3000頭くらいは日本に輸入されている」と言う。
サバンナオオトカゲは温厚な性格で、オオトカゲの中では比較的小さく、飼育しやすいことから近年ペットとしての人気が高まっている。
ただ、全国各地でサバンナオオトカゲが逃げ出す事例が度々確認されていて、白輪園長は、今回も「飼い主の家から逃げてしまったのでは」と推測する。
「人間や飼っている犬や猫を襲って食べることはない。実際、人間を見れば、一目散に逃げてしまうトカゲで、トカゲのほうから自ら襲ってくることはない」
おとなしいため人を襲うことはなく、命の危険性もないということだが、住宅街で見かけた場合は「一般的に大きなトカゲを知らない方が多いと思うので、そのトカゲの習性を知らない方は110番をして警察に委ねたほうがいい」と注意を呼びかけている。
飼い主の責任問われることも
発見されたサバンナオオトカゲはペットとして飼われていたものが外に出てしまったとみられているが、こうしたケースでは飼い主の責任が問われる恐れもある。
今年8月、滋賀県大津市では、女性が自宅で飼っていたサバンナオオトカゲが逃げ出し、女性は適切な管理を怠ったとして、軽犯罪法違反の疑いで書類送検されている。
爬虫類を含むペットを飼えないからと捨てた場合にも犯罪となり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられることになる。
爬虫類に限らず、ペットの飼育を考える場合には、最後まで愛情を持ってきちんと飼えるかどうか、しっかり検討することが重要だ。