「ペットと一緒に避難したい…」“大切な家族”の命を守るため…新潟市にペット“同伴避難所”開設

能登半島地震で避難所に避難する際、「ペットを連れて行ってもいいのか」と迷った人もいたのではないだろうか。家族同然のペットを連れて避難したい。そんな声に応える避難所が新潟市で開設されている。

ペットと一緒に過ごせる避難所

新潟県内にも津波警報が出され、避難所に身を寄せる人が多かった今回の地震。避難する際の悩みの一つとなったのが、ペットを連れての避難だ。

県庁に避難する人たち(2024年1月1日)

地震が発生した直後に県庁にペットを連れて避難してきた人は「(犬は)避難所によっては受付がだめなところもあるので、避難が長くなると車の中になってしまうのかな」と不安を口にしていた。

犬を連れて避難

こうしたニーズに応えようと新潟市西区の黒埼市民会館では、通常の避難所とは別にペット同伴避難が可能な避難所が設けられている。

黒埼市民会館

同伴避難ができるよう3階の美術工作室を4つのエリアに区切ってペットの受け入れスペースとした。

新潟市動物愛護センターの登坂友一所長は「ペットを皆さん家族だと思われているので、同じ家族を見殺しにしないというような意識が高まってきていると思っている」と開設に至った思いを語る。

新潟市動物愛護センター 登坂友一 所長

この同伴避難は多くの避難所で採用されている飼い主とペットが異なる場所で過ごす同行避難とは異なり、ペットと同じ場所で過ごすことができる。

新潟市内でも同伴が可能な避難所は限られているのが現状だ。

「不安な時だからこそ離れたくない」

現在は避難所にいるペットはいないが、1月16日は西区役所の田中美友紀さんが愛犬のロンくんとそのスペースの確認を行っていた。

田中美友紀さんとロンくん

「ペットを飼っているものとしては、災害時で不安な時だからこそ逆に離れたくない。ぬくもりを感じて一緒に過ごしたいという気持ちが本音だと思うので、こういった受け皿があるのは安心できる」

避難所にはペット用の備えも

ペットの体調も考慮し、餌などはできるだけ持参してほしいとしているが、全国から届いた支援物資のほか、県獣医師会から寄贈された支援キットもあり、ある程度のものは備えられている。

支援キット

登坂所長は「ペットを連れているということで、避難所に行くこと躊躇している方がいると思うので、ニーズにできるだけ応えられるよう、これから色々検討していきたい」と話した。

日頃からの備えも重要

有事の際に備えてペットを日頃からケージやキャリーに慣れさせておくことや何日か分の餌やシーツを用意しておくことも重要だ。

また、登坂所長は「犬や猫以外の場合でも自治体や動物愛護センターに気軽に相談してほしい」と話している。