「今年はレベチ…」余った“酒かす”約9トン…猛暑が原因!? 困惑の酒造会社がSNSで無料配布呼びかけ

酒造りの過程で発生した酒かすが大量に余ってしまったため、無料で配布すると告知した酒蔵のSNSへの投稿が話題になっている。なぜ大量に余っているのか酒蔵を取材した。

無料で酒かす配布 なぜ“レベチ”?

「酒粕いっぱいあるなぁと思ったら、今年はレベチらしい…。もったいないから、もらっていってください!!」

X(旧Twitterより)

これは、新潟県上越市の酒蔵・竹田酒造店によるSNSの投稿。

酒造りの過程で出た“レベチ”=レベルが違うほど大量の酒かすを無料で配布すると発信している。

竹田酒造

店に伺うと…酒かすが段ボールに詰められ、誰でも持って行けるようにと店内に置かれていた。

2024年は例年より2トン以上多い、約9トンの酒かすが出る見込みだという。竹田酒造店の十代目蔵元・竹田春毅さんは「見たことない。今年は異常」と話す。

竹田酒造店 竹田春毅さん

実は竹田酒造の他にも…

【宝山酒造のX(旧ツイッター)】
「あの…酒粕ぅ…………いる?ちょっと困るくらい大量にあるから、蔵まで来てくれたらあげるよ」

この投稿をしたのは、新潟市西蒲区の宝山酒造。一体なぜ、これほど酒かすが余っているのか。

竹田さんによると、大量の酒かすが発生した原因は、2023年夏の猛暑がもたらしたコメへの影響にあるという。「今年のコメはかたくて、例年よりも溶けにくい状況だったので、酒かすの割合が高くなっている」

例年は酒かすを販売していたが、今年はそれだけではなくならず、SNSで告知して無料配布することにしたという。

「近隣の方々にもらってもらえるのであれば、使ってもらいたいなと思って、今回は『差し上げます』という形を取った」

「使い道いっぱいある」酒かす求め多くの客!

店には、さっそくSNSを見て店を訪れた客の姿が見られた。

来店した客は「SNSが流れてきて、それで知った。地元の酒屋さんだったので、ぜひ応援したいなと思って来た」「かす汁を作ったり、漬け物に使ったり、甘酒を作ったり、使い道はいっぱいある」と話した。

中には、この機会に初めて店を訪れ、竹田酒造店の酒を買った客もみられた。「ちょっと気になっていて、このチャンスがあったので伺わせていただいた」

一日に出る600キロほどの酒粕がこの日はほとんどなくなるほどの盛況ぶりだった。

竹田さんは「少しでも使っていただいて、酒かすの良さを知ってもらえれば」と話す。

ちなみに、竹田さんにオススメの活用法を聞くと…酒かすを水と一緒に温めてペースト状にし、アイスにかけたり、炒め物などの料理に少し加えたりするのがオススメだということだ。