新潟~上越地域の“高速鉄道化” ミニ新幹線化など4案提示も試算は1200億~2100億円「国家プロジェクトに」

新潟市から上越地域へのアクセスの改善を図ろうと検討されている高速鉄道化。これまでミニ新幹線化や信越線改良など4つのルート案が示されてきたが、新潟県はそれぞれの事業費について1200億円~2100億円となる試算結果を公表した。

新潟市⇔上越地域の高速鉄道化

3月16日に福井県の敦賀駅まで延伸した北陸新幹線。

北陸新幹線

北陸新幹線

上越地域から北陸方面への利便性が高まる中、検討されているのが新潟市と上越地域を結ぶ「高速鉄道化」だ。

3月26日、新潟市で5回目の検討委員会が開かれ、これまでに示された4つのルート案に対し、県が試算した工事費や短縮時間などが公表された。

〈1〉上越妙高~長岡駅間のミニ新幹線化

上越妙高~長岡駅間のミニ新幹線化の工事費は約1200億円で、工期は15年~17年程度。

上越妙高から新潟駅間の所要時間は37分短縮される見込みだ。

整備上の課題としては、上越妙高~直江津間で工事による運休やバス代行が想定されるほか、新たなミニ新幹線車両の開発などが挙げられた。

また、整備後の課題として、単線化による異常時のダイヤの乱れの影響が大きいことや生活交通としての在来線列車の利便性低下などが挙げられた。

〈2〉糸魚川~長岡駅間のミニ新幹線化

糸魚川~長岡駅間のミニ新幹線化の工事費は約1500億円。工期は19年~21年程度。

糸魚川~新潟駅の所要時間は55分短縮される。

整備後は1つ目の案と同様の課題が挙がっている。

〈3〉信越線を改良

信越線を改良し、トンネルを整備する案では約2000億円の工事費がかかり、工期は13年~15年程度。

上越妙高~新潟駅間は27分の短縮となる。

整備上の課題として、短絡トンネル区間は、可燃性ガスや原油等の湧出の可能性があり、整備が難航するおそれがある。

また、整備後には直江津~長岡~新潟間の直通特急列車廃止に伴う利便性の低下などが課題に挙がっている。

〈4〉北越急行のミニ新幹線化/長岡~柏崎駅間のシャトル化

北越急行のミニ新幹線化と長岡~柏崎駅間のシャトル化は、工期は8~10年程度と最も短いが、工事費は約2100億円と最も高くなる見通しだ。

上越妙高~新潟駅間は40分短縮される。

整備上は魚沼丘陵~うらがわら間で工事による運休やバス代行が5~6年程度想定されるほか、短絡線の区間は地すべり地帯のため、整備が難航するおそれがある。

また、整備後には生活交通としてのほくほく線の利便性低下などが課題に挙げられた。

高速化実現のカギは“広域視点”と“機運醸成”

3月26日の会合ではそれぞれの案の課題について確認。

検討委員会

高速化の実現に向けて、「広域的な視点」で検討する必要性や県民の機運醸成が欠かせないといった意見が挙がった。

検討委員会の大串葉子委員長は「国家プロジェクトになるので、秋田・山形をにらんで路線を考えていく。そして、この路線の存在価値をPRする形で持っていかないと。国での事業採択の優先順位を上げてもらうためにも、新潟からさらに東北地方の玄関口としての新潟の役割を再確認いただいて、日本海側の路線を強化していくという視点も今後、検討が必要じゃないか」と話した。

検討委員会 大串葉子 委員長

検討委員会 大串葉子 委員長

新潟県交通政策局の太田勇二局長は「日本海国土軸という点で見た日本にとって、どういうメリットなのかとか、そういったことをやはり県民の皆様からよくご理解をいただきながら議論していただく。そういった機運醸成が必要なのではないか。そんなご意見をいただいた」と機運を高めていく必要性について語った。

新潟県交通政策局 太田勇二 局長

新潟県交通政策局 太田勇二 局長

検討委員会は案について、まだ絞り込みをせず検討を続ける方針で、県は2024年度、需要予測や費用便益比について調査することにしている。