2022年、新潟県北部を襲った豪雨で被災し、運休が続いているJR米坂線。自治体側とJR側による復旧についての議論が続き、未だ工事が着手されない中、市民団体がJR東日本と県に対し、早期復旧を求める要望書を手渡した。米坂線復旧に進展は見られるのか…
米坂線の早期復旧を求める市民団体
2023年11月に発足し、地域住民など200人以上が会員となっている「米坂線の早期復旧と地域活性化を考える会」。
JR東日本への初めての要望を前に手にしていたのは約2500筆の署名だ。
森川信夫事務局長は「主に高校生とか、あるいはお年寄りが通勤・買い物とか、そういうために利用している」と話した。
2022年8月、県北部を襲った豪雨で被災し、一部で運休が続いている米坂線についてJRは約86億円の復旧費用がかかるなどと試算。
JRの方針変わらず「交通弱者はどうすれば…」
申し入れは1時間以上にわたって行われた。申し入れを終えた森川事務局長は「地元とも協議をよく進めながら復旧を含めて、これからのことを含めた復旧を見通した上でやっていかないとダメだと。そういう話だった」とやりとりについて明かした。
また、JRからは将来、米坂線が持続可能かを含めて復旧について考えるというこれまでの方針が示されたという。
会員の一人は「交通弱者、私たちもそうだが、年をとればどんどん運転ができなくなる。バスも運転手がいなくなる。バスも廃止される。年寄りはどうやって生きていくのか」と涙ぐんだ。
費用負担は… 新潟県「スピード感持って協議を」
午後には県庁を訪れ、県に対し要望書を提出した考える会。
山形県と共に米坂線の復旧を求めている新潟県の太田勇二交通政策局長は「今、どれだけ米坂線沿線で需要、潜在需要含めてあるかを投げている。それに対して、JRもこれから返してくると思う。そのあと本当の協議はまさにここからだと思う」と現在のJRとの協議状況について説明した。
今後、議論が避けられないとする費用負担について県の態度を示すことはなかった太田局長だが、被災から2024年8月で丸2年を迎えるため「スピード感を持ってJRと協議したい」と話した。
考える会は今後も集会などを開催し、早期の復旧を求めていく方針だ。