自分の故郷や応援したい自治体など、自分が住んでいる自治体以外の自治体を選んで寄付することで、返礼品を受け取ることができる「ふるさと納税」。このふるさと納税の仲介サイトを通じて受け取れるポイントが、10月から禁止となる。タイムリミットが迫る中、各サイトでは最後のポイント還元キャンペーンを打ち出している。駆け込み寄付の注意点などを節約アドバイザーの丸山晴美さんに聞いた。
返礼品競争激化する『ふるさと納税』
「今までにない還元率も一部で出ている。うまく使えばお得に納税できるタイミング」
こう話すのは、節約アドバイザー兼ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんだ。返礼品で全国各地の特産品を手に入れることができるとあって人気の「ふるさと納税」。各自治体の返礼品競争も激化していて、「特産品だけでなく、キャンプ場利用権やイベント入場券など体験型返礼品やクラウドファンディング型も増えてきている」という。
新潟県内でも返礼品を充実させることで、納税額を伸ばしている自治体は増えていて、24年度は前年度に比べて新潟県全体で100億円以上受入額が伸びた。(総務省発表)
仲介サイトを利用して申し込んだ際にはポイントも付与されるが、総務省は、ポイント付与は本来の趣旨からずれているとして、10月からポイント付与を禁止することに…これによって9月中の駆け込み需要を呼び込むべく、各仲介サイトが「異例のポイント還元率」を打ち出しているのだ。
どの仲介サイトから選べばいい?
ポイント付与の終了が直前に迫る中、数多くある仲介サイトからどのサイトを選べばいいのか…丸山さんに聞くと、ポイ活をしている人はその「ポイント経済圏」に対応する仲介サイトを利用するのがいいと話す。
「ポイント経済圏を重視してポイ活をしている人は、普段から貯めているポイントが取り扱えるふるさと納税サイトを選ぶと良い。普段の買い物感覚で納税でき、今まで貯めたポイントも使え、ポイント還元も受けることができる。
10月からポイント付与が禁止となるのは、あくまでもふるさと納税仲介サイトのポイントであって、クレジットカードなどキャッシュレス決済等で寄付をした際に付与されるポイントは対象外となり、10月以降もポイント付与対象となる。
これまでにふるさと納税をしたことがなく、何を選んでいいか分からない人は老舗のサイトがオススメ。検索がしやすく、商品の品揃えも多く、ランキングを見ると比較的お得な返礼品を見つけることができる」
駆け込み寄付の注意点
一方、駆け込み寄付では注意も必要だと強調する。
「生ものを一度にまとめて頼まない方がいい。例えば、生ものや冷凍食品が一気に来て、冷蔵庫に入りきらなかったり、食べきれずに傷んでしまうのはもったいない」
食べ物を頼みたいという人は、返礼品の届くタイミングをズラすことや、レトルト食品や缶詰など賞味期限が長めにとれるものや調味料もオススメだという。また、毎月のように決まったタイミングで野菜や肉などが送られてくる定期便の活用も一つの手段だ。
「今からだったら、ケーキやローストチキンなどクリスマスに使える返礼品や、おせちの返礼品もある。もつ鍋などの鍋セットとか届く時期を年末に調整するとちょうどいいと思う。頼んだことを忘れる可能性はあるので、その辺は気をつけて手帳などにメモをしておいてほしい」
どうしても選べないという人は、寄付額に相当する「ポイント」がもらえる「ポイント制」を採用している自治体がオススメ。先に寄付を済ませておき、後日時間があるタイミングで欲しい商品に交換することもできるという。
確定申告・ワンストップ特例制度の利用忘れずに!
お得に納税することが出来る制度だが、住民票がある自治体に寄付しても返礼品はもらえないなど注意も必要だ。
「ただ寄付をしただけでは高いお取り寄せになるため、確定申告もしくはワンストップ特例制度で、税金の控除を受けるようにしてほしい。具体的には、寄付金額のうち自己負担分の2000円を超える部分について、所得税と住民税から一定の上限はあるが、全額が控除される制度。所得税、住民税が控除されるためには確定申告が必要となるが、ふるさと納税以外の確定申告が不要な給与所得者(会社員など)かつ、5自治体以内の寄付ならワンストップ特例制度を利用することで、確定申告の手間をかけずに申請することができる」
丸山さんは「楽しめる部分もあるので、少しでも興味のある人は、これを機にふるさと納税のポータルサイトを覗いてみて、いいなと思ったらやってみると意外と簡単にできることが分かる」と話す。
ふるさと納税のポータルサイトでのポイント還元は9月末まで、2025年のふるさと納税は12月末までだ。
(新潟ニュースNST編集部)
丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。
著書・監修書は『「大人のおしゃれ手帖」特別編集年間100万円!がんばらなくても貯まるお金の習慣』『InRed特別編集シングル生活を最高に楽しむ!お金と上手に暮らす本』(ともに宝島社)など多数
公式HP「らくらく節約生活。」http://www.maruyama-harumi.com
丸山晴美さんに聞きたい!『お金に関する質問』はコチラから
※今後、当サイトにて取り上げる可能性があります
https://forms.cloud.microsoft/Pages/ResponsePage.aspx?id=pLnEZP-FsEmRot6bf4wSJ5AJp1C-nw1Or80FMyNcUOlUREpRSVJVWlNYODZQQUlVQjhDSzJZR1U4QS4u