
今年2月、体長10mを超えるとみられるマッコウクジラの骨が新潟県上越市の海岸に漂着しました。日本海側では非常に珍しく、今後、貴重な資料として科学館に展示されます。
4月21日、上越市の柿崎中央海水浴場。多くの関係者により、クレーンで慎重に吊り上げられる大きな物体の正体は…
【上越科学館 永井克行 館長】
「“マッコウクジラ”は日本海側にはほとんどいないはず。目撃例もあまりなく、しかも骨があがるのは大変なこと」
今年2月に漂着したマッコウクジラの骨です。
【新潟市水族館マリンピア日本海 石田茉帆さん】
「一個一個のパーツのスケールが全然違うので、今回携わらせていただき、良い経験になった」
【記者リポート】
「マッコウクジラの骨、こちらは下あごに当たる部分だということですが、私の握り拳よりも大きい歯が生えていたことが分かります。」
海水浴場に打ち上げられたのは、下あご・後頭部・胸骨・肋骨の4つで、骨の大きさなどから体長10m以上、体重60tほどのオスのマッコウクジラと推定されています。
日本海側でのマッコウクジラの目撃数は非常に少なく、これほど大きな骨が漂着するのは過去に例がないということです。
【国立科学博物館 研究主幹 田島木綿子 博士】
「これだけ大きな(マッコウクジラの)オスが本当に日本海側にいる、いた、という証明ができた。博物館みたいにみんなが来ることができる場所で今後展示し、教育普及の材料になるのは非常に良いこと」
骨は貴重な資料として展示するため上越科学館に運び込まれ、汚れを落とすとともにカビが生えないよう洗剤を使い丁寧に洗浄されていきます。
マッコウクジラの生息域を示す貴重な骨を永井館長は大人から子どもまで多くの人に見てほしいと話します。
【上越科学館 永井克行 館長】
「これをきっかけに生物(研究)の方向へ進む子どもや市民の皆さんに関心を持っていただくことは科学館としては一番良いこと」
上越科学館はマッコウクジラの骨の年内の展示開始に向け、準備を進めていくことにしています。
最終更新日:Mon, 21 Apr 2025 18:43:46 +0900