沖合で座礁 巡視船えちごの事故原因「3つの人的要因があった」再発防止策を策定【新潟】

今年1月、新潟県柏崎市の沖合で新潟海上保安部の巡視船えちごが座礁した事故の原因について、海上保安庁は21日、必要な確認事項の徹底せず連携不足などがあったとする調査結果を報告しました。
今年1月、新潟県柏崎市の沖合で新潟海上保安部の巡視船えちごが座礁した事故の原因について、海上保安庁は21日、必要な確認事項の徹底せず連携不足などがあったとする調査結果を報告しました。

【第九管区海上保安本部 安里匡 総務部長】
「2度とこのような事故を起こしてはならないという決意のもと、安全対策の徹底を図り再発防止に全力をあげ国民の安全安心の確保に努めて参ります」

21日、第九管区海上保安本部の安里総務部長が今年1月に柏崎市の沖合で巡視船えちごが浅瀬に乗り上げた事故について謝罪しました。

【記者リポート】
「午前10時半すぎです、海岸から数百メートルの沖合で海上保安庁の船が座礁しています横風があり、海は白波が立っています」

巡視船えちごの事故を巡っては今年1月18日午前6時半ごろ、柏崎市椎谷鼻沖をパトロールしていた際、当時の航海長の男性がレーダーによる船の位置や水深の確認を怠り浅瀬に乗り上げました。

元航海長の男性は今年3月に業務上過失往来危険の疑いで新潟地検に書類送検され、6月12日に略式起訴されています。

事故原因について、海上保安庁は3つの人的要因があったと説明。

【海上保安庁 長谷川真琴 監察官】
「事故原因は基本的事項実施の不徹底、航海当直者間の情報共有の連携不足、船長等の管理監督の不十分の3つであり、これらが重なり事故に至ったものと判断している」

事故を受け、海上保安庁はそれぞれの原因についてチェックリストを活用し、船長による点検制度や夜間航海などを想定したチームごとの訓練を新たに導入するなど、3つの再発防止策を策定しました。

【海上保安庁 長谷川真琴 監察官】
「必要な指導等を行って、合わせて乗組員の能力向上につなげていくこととしています」

巡視船えちごにかかる修理費用などは総額で20億円ほどかかる見込みで、来年6月ごろに修理が完了する予定です。最終更新日:Wed, 21 Jun 2023 18:39:24 +0900