豪雨被害の“米坂線” 復旧費用は86億円… JRが沿線自治体と協議へ「廃線ありきではない」【新潟】

去年8月の豪雨で被害を受け一部区間で運休が続いている米坂線について、JR東日本新潟支社は、復旧にかかる費用が「86億円にのぼる」との試算を示しました。
NST新潟総合テレビ
去年8月の豪雨で被害を受け一部区間で運休が続いている米坂線について、JR東日本新潟支社は、復旧にかかる費用が「86億円にのぼる」との試算を示しました。

今後、復旧の可否を含め、沿線の自治体と協議を始める方針です。

村上市と山形県を結ぶ米坂線は、去年8月に県北部を襲った豪雨で線路への土砂の流入や橋の崩落などの被害を受け、一部区間で運休が続き、バスによる代替輸送が行われています。

豪雨から8カ月が過ぎた今も…

【リポート】
「崩落したあとが残っています。レールが寸断されています」

被害の爪痕が残る中、4月25日、JR東日本新潟支社が被害調査の結果を公表。

被災箇所は新潟県側と山形県側で合わせて112か所にのぼり、復旧にかかる費用は約86億円、工事期間は5年に及ぶと試算されています。

【JR東日本新潟支社 小川治彦 支社長】
「ただちに復旧すると判断できる額ではない。沿線自治体と話し合いが必要」

小川治彦支社長は、復旧の可否や費用負担のあり方を含め、沿線自治体と協議する考えを示しました。

一方で、JR東日本が公表したデータで、2021年度の米坂線の収支は約19億円の赤字となっています。

こうした採算を踏まえ、廃線の可能性を問われた小川支社長は「持続可能性に課題があるのは確かだ」としながらも…

【JR東日本新潟支社 小川治彦 支社長】
「赤字であるということを議論の出発点にするのは適切ではない。そのように(赤字を理由に廃線と)は考えていない」

こう話し、廃線ありきではないと強調しました。

JR東日本は、5月上旬にも沿線の自治体への説明を始めることにしています。