「本の販売だけではやっていけない」進む本離れ…“街の書店”生き残りへ経産省が支援策検討【新潟】

デジタル書籍の台頭などにより全国で減少傾向にある街の書店。この現状を受け、経済産業省が書店を支援するためのプロジェクトチームを発足させました。県内の書店の反応は…
デジタル書籍の台頭などにより全国で減少傾向にある街の書店。この現状を受け、経済産業省が書店を支援するためのプロジェクトチームを発足させました。県内の書店の反応は…

経済産業省が3月5日、設置を発表した「書店振興プロジェクトチーム」。

キャッシュレス決済や中小企業を支援する部署なども参加し、今後、書店経営者などへのヒアリングを行い、課題を把握して支援策を検討する方針です。

長岡市にある「ブックスはせがわ」。

【ブックスはせがわ店主 長谷川敏明さん】
「書店だけではやっていけないという現状もあるし、雑貨を合わせたり、複合的なことを今すでにやっているが、それでも、なお厳しい現状がある」

こう話すのは、店主の長谷川敏明さんです。

長谷川さんは9年前まで長岡市内で書店を営んでいましたが、客や売り上げの減少などにより店を続けることができず…本の販売のみでは経営が難しいことから、2年前に地元の雑貨なども販売する書店をオープンし、不定期で本の移動販売も行っています。

【ブックスはせがわ店主 長谷川敏明さん】
「難しいのは、書店をやりながら書店から遠ざかっているという思いもすごくある。なかなか自助努力だけでは、書店だけではやっていけないという現状もあるので、利益率の良い雑貨を入れたり」

出版科学研究所の調査によりますと、2003年に全国に2万店以上あった書店の総店舗数は約20年で1万1000店舗あまりに。

全国の市区町村のうち、地域に書店が1つもない自治体は約4分の1にのぼります。

その背景にある要因の一つが、若者を中心とした「本離れ」です。

【大学生】
「大学生になって遊びに時間を使っているので読まなくなった」

【40代】
「近年減っている。昔はよく読んだが、もう年に10冊も読まないくらいになった」

【中学生】
「読んでいない。ネットで読むことのほうが多くて、紙では読んでいない」

一方で、デジタル書籍よりも実店舗を好む人も。

【大学生】
「新しい本に出会えるので書店の方がいい」

【高校生】
「一回触ってみないとわからないので、一回触ってみて買うようにしている」

こうした中、街の書店を救うべく立ち上がったプロジェクトチームに長谷川さんは…

【ブックスはせがわ店主 長谷川敏明さん】
「(支援内容は)推測になるが、期待も半分あるし、違和感も半分あった。国が動くくらい、書店は街に必要なんだと思ってもらえていることはありがたい」

一方で、具体的な支援策はまだ発表されていません。

【ブックスはせがわ店主 長谷川敏明さん】
「どのようなことが起きるのか、まだちょっとイメージが湧かない」

今後、どんな支援策が出てくるのか…街の書店の生き残りをかけた支援の行方に注目です。最終更新日:Thu, 07 Mar 2024 18:48:47 +0900