新潟・佐渡の“養殖業”に明暗… 食害対策でカキに明るい兆し!中国への輸出止まるナマコ業者は支援求める

魚による食害が深刻化し、水揚げ量が例年の3割以下となった新潟県佐渡産のカキ。食害対策を講じた結果、早くも効果が現れています。一方で、中国への輸出が止まっているナマコ業者からは支援を求める声が聞かれました。
魚による食害が深刻化し、水揚げ量が例年の3割以下となった新潟県佐渡産のカキ。食害対策を講じた結果、早くも効果が現れています。一方で、中国への輸出が止まっているナマコ業者からは支援を求める声が聞かれました。

【佐渡漁協共同組合理事 高野康広さん】
「80~90%が食害によって死滅していると。水揚げが例年の30%に届かないのが現状」

今年1月、こう肩を落としていたのは真野湾でカキを養殖している高野康広さんです。

真野湾のカキは例年2~3トンの水揚げがありますが、魚の食害による影響で今年は1トンに満たない見込みです。

こうした状況に、佐渡市は種カキの購入費用を補助するなど緊急支援する方針を固めました。食害対策に取り組んでいた高野さんは…

【佐渡漁協共同組合理事 高野康広さん】
「さらなる食害対策を施して、入れている種が予想以上に順調に育っている」

養殖の仕方やタイミングを変えた結果、さっそく効果が現れていました!

【佐渡漁協共同組合理事 高野康広さん】
「過去の経験からだいたいでやっていたのを、裏付けを取りながら根拠に基づいてマニュアル化していって、一年一年、確実に水揚げできるようにしたい」

カキの養殖に明るい兆しが見られる一方で…

【浦島三和 須藤由彦 社長】
「ここ数年はちょっと難しいという感触」

厳しい状況が続いていたのが、ナマコの養殖を行う企業です。

東京電力・福島第一原発の処理水の海洋放出を受け、中国が日本の水産物の輸入を停止してから半年以上が経ちましたが、現在も状況は変わらず…

養殖したナマコの99%を中国に輸出していたこちらの企業では、新たな販路を見い出してはいるものの、東京電力からの補償はいまだなく、養殖の技術指導をしていた中国人も母国に帰ってしまったと言います。

【浦島三和 須藤由彦 社長】
「切り拓いていけるところは全くなくて、本当に神のみぞ知るところみたいな、そんな状況」

政府には禁輸の早期解除を望んでいます。

【浦島三和 須藤由彦 社長】
「禁輸がないというか、解除になるというか、解除まで漁協、それから私たち、何とか支援していただきたい」最終更新日:Fri, 15 Mar 2024 19:30:22 +0900