去年に続き、全国的にサケの不漁が心配される中、10月11日、新潟県村上市にサケの増殖・加工・販売を一手に担う施設が完成しました。おととしの豪雨で受けた被害からも立ち上がり、今年の大漁を祈願しています。
■今年も心配される“サケの不漁”
「すみません!ただ今サケが一匹もおりません!」去年11月、SNSに投稿されたこの投稿。
村上市にあるサケの博物館イヨボヤ会館では、サケの不漁から展示用のサケが調達できない事態に陥っていました。
10月11日は2匹のサケが泳いでいましたが…
【イヨボヤ会館 奥村芳人 館長】
「けさ入ったばかり。夏の猛暑によって海水温が下がらない状態が続いていて、入る時期も遅いし、かなり少ないと思う」
サケの不漁が心配される中、今年の豊漁に大きな期待を寄せる場所があります。
■新たな施設が完成!万全の体制でサケ漁へ
【松村道子キャスター】
「新たにできたサケの増殖加工販売施設。屋根は三面側を遡上するサケをイメージし、モザイク板でウロコを表現しています」
11日、村上市の三面川沿いで開所式が行われたのは、水害に備えて県道を高くする工事に伴い移転・新設された「増殖加工販売施設」です。
三面川で捕れたサケの採卵や加工を行うのに加え、直売所を兼ねているほか…
【松村道子キャスター】
「新たな施設は観光スポットとしての役割も果たします。テラスからは三面川を一望することができます」
塩引きサケを加工するため、約300匹のサケを干すスペースも一般に公開。関係者が待ち望んだ施設です。
【三面川鮭産漁業協同組合 平田茂伸 副組合長】
「今年にかける思いはいっぱいある」
三面川では、おととし8月の県北豪雨で川を上ってきたサケを捉える「ウライ」と呼ばれる施設が被害に。
【三面川鮭産漁業協同組合 平田茂伸 副組合長】
「半分から向こうの波消ブロックが水害の影響でかなり崩れた」
例年2万匹ほどとれるサケは去年、施設が壊れた上、夏の猛暑が影響したことで、わずか3500匹に減少しました。しかし、今年は…
【三面川鮭産漁業協同組合 平田茂伸 副組合長】
「180mが全面改修された。それによって去年も半分だったウライが今回180m目いっぱいの、元の長さでできるようになった」
捕獲施設も、加工・販売施設も新しくなり、万全の体制で迎えるサケ漁の季節。
【三面川鮭産漁業協同組合 平田茂伸 副組合長】
「本当にダブルでいいことが重なった。この施設も生かせるよう、サケが上がってこなければ施設も活躍しないので、サケが上がってきて、この施設が観光名所の一つとして、見学の一つになってもらいたい」
三面川のサケ漁は10月21日~12月15日までで、新しい施設での加工品などの販売も10月21日に始まります。
最終更新日:Fri, 11 Oct 2024 18:47:23 +0900