米の価格高騰でふるさと納税の“返礼品”がピンチ!? 農家は新米の予約前倒しでスタート「米が求められる時代に」新潟・南魚沼市

コメどころとして全国に名をはせる新潟。ふるさと納税の返礼品として人気なのはやはりコメです。しかし、その返礼品にもコメの価格高騰による影響が出ています。

コメどころとして全国に名をはせる新潟。ふるさと納税の返礼品として人気なのはやはりコメです。しかし、その返礼品にもコメの価格高騰による影響が出ています。

■米不足でふるさと納税の受付を停止

魚沼産コシヒカリの産地として知られる南魚沼市。そのふるさと納税の返礼品の中で人気が高いのは、やはりコメですが…

【記者リポート】
「米どころとして有名なこちら南魚沼市では、ふるさと納税の返礼品を巡って今、想定外のことが起こっているということです」

【南魚沼市U&Iときめき課 小澤明子さん】
「順次事業者の皆様から取り扱いを停止しますということでご連絡をいただいて随時シールを張っていたような形」

去年夏以降、全国的にコメの品薄が発生したことでふるさと納税の予約が急増。去年収穫したコメに関しては契約する80の事業者のほとんどで販売先が決まったことから3月にふるさと納税の受付を停止しました。

【南魚沼市U&Iときめき課 小澤明子さん】
「今、申し込みをいただいてすぐにおコメをお届けするということができない状況であるのは大変心苦しいところではある」

■新米の予約スタート すでに1000件の注文

その南魚沼市でコシヒカリなどを生産するひらくの里ファーム。

【ひらくの里ファーム 青木拓也さん】
「こちらがお米を保管している倉庫になる。いつもだと倍くらいあるが、今は令和6年産に関しては早々に売り切れて、今あるコメはみんな予約分で行き先が決まっている」

毎年180トンほどのコメを生産し、そのうちの7割ほどをふるさと納税の返礼品にあてています。通常であれば、前の年に収穫したコメは翌年の8月ごろまで在庫が残ると言いますが、ふるさと納税の注文が殺到したことで…

【ひらくの里ファーム 青木拓也さん】
「(去年のお米の)売り先が決まっているという形なので新しく売る分はない」

このため、まだ田植えすらしていない新米の予約を4月1日から前倒しでスタート。ふるさと納税を含めすでに1000件ほどの注文が入っていると言います。

【ひらくの里ファーム 青木拓也さん】
「コメがいつまでも安くならないし、いっぱいあるわけでもないみたいな不足感が漂っているっていうので、先に先にで注文される方が多いなっていう思います」

コメの価格高騰については「様々なものの値段が上がる中これまでコメだけが値上がりしてこなかった」と話す青木さん。

コメづくりを続けるためにも、ある程度は値上げせざるを得ないとした上でコメの安定供給に向けた取り組みを強化しています。

【ひらくの里ファーム 青木拓也さん】
「うちは例年だとこがねもちっていう品種で加工用米を少し作っていたがその部分を減らして主食用米のコシヒカリとか新之助を増産するような感じで考えて作っている」

長く続いたコメ余りの時代も経験してきたからこそ青木さんは高まる需要に応えたいと今年の田植えに意欲を示しています。

【ひらくの里ファーム 青木拓也さん】
「コメが求められている時代になってきているので、その辺は率直にやっていてありがたいと思う。気合が入ります」

最終更新日:Wed, 16 Apr 2025 21:00:00 +0900