
北越高校男子ソフトテニス部の部員など21人が死傷した磐越道のバス事故を受け、新潟県が県内の高校を対象に実施した部活動の遠征に関する実態調査の結果が発表されました。この中で、部活動の遠征に関する役割が顧問に集中し、学校全体で安全管理を行う仕組みが不十分であったことが明らかになりました。
■高校生死亡の磐越道バス事故 バスめぐり意見食い違いも…
今年5月、北越高校男子ソフトテニス部の部員を乗せたマイクロバスがガードレールなどに衝突。部員など21人が死傷する事故が発生しました。
事故を起こしたバスをめぐっては…
【北越高校ソフトテニス部 寺尾宏治 顧問】
「事前に見積書を受け取ったことはなく、契約書を取り交わしたこともありませんでした」
契約書がなく、なぜレンタカーのマイクロバスを使用し、逮捕された若山哲夫容疑者がドライバーを担うことになったのかなど、高校とバスの運行会社の間で意見の食い違いも生まれています。
■“部活動の遠征”実態調査の結果を発表
こうした状況を受け、県は県内にある101の高校に対し、昨年度実施した部活動の遠征に関する実態調査を実施。その結果が8月20日公表されました。
【県 頓所裕史 教育次長】
「部活動遠征では顧問が計画から実施まで幅広い役割を担っている一方で、安全確保の観点から学校として事前に確認しておくべき事項が体系的に整理されていないことなどが明らかになった」
バスの運行などを依頼する際に契約書などを毎回発行している高校は、公立・私立ともに7割ほどにとどまっていたことが明らかに。
北越高校のようにレンタカーや運転者の手配・契約関係に疑義があった遠征が公立・私立合わせて15件にのぼりました。
また、北越高校では、部活動の県外遠征をする際には、各部の顧問が申請する必要がありますが、今回の事故では顧問が申請を失念。管理職が事前に遠征を把握していませんでした。
今回の調査でも管理職による事前の書類確認をいつもしている学校は公立と私立ともに4割に満たず、学校による安全確保の不十分さが浮き彫りとなっています。
【県教育庁保健体育科 志田哲也 課長】
「部活動顧問は、遠征計画の作成、当日の運転・引率など幅広い役割を担っている状況が確認された」
遠征の移動手段が自動車の場合、公立で5割、私立では7割のケースで顧問が運転していたという結果も出ています。
■再発防止策「学校が安全管理行う仕組みに」
こうした実態を受け、県は再発防止策も発表。
【県 頓所裕史 教育次長】
「顧問個人の判断や経験に委ねるのではなく、学校が、組織として安全管理を行う仕組みに転換することを基本としている」
遠征の必要性や移動計画移動手段・運転手などを学校として十分に確認した上で、校長が承認する仕組みとすることや安全確保の基準の策定などに加え…
【県 頓所裕史 教育次長】
「自動車での移動が、まず選択肢の第一に学校現場では入ってきていた。そこの価値観を変える必要がある」
おおむね100km以上の移動について、原則、公共交通機関または貸切バスなどの営業用自動車利用するという基本方針も示しています。
保護者の負担の増加も懸念されますが…
【県教育庁保健体育科 志田哲也 課長】
「遠征費用を公費で支援するということについては、公平性の観点からも少し検討していかなければいけないのかな」
「当たり前だった遠征」が本当に必要なのか検討してほしいとも話した県の担当者。
どのように子どもの成長と安全確保のバランスをとっていくのか、高校の部活動は今、大きな岐路に立たされています。
最終更新日:Thu, 20 Aug 2026 21:00:00 +0900



