ペットと一緒に過ごせる避難所
新潟県内にも津波警報が出され、避難所に身を寄せる人が多かった今回の地震。避難する際の悩みの一つとなったのが、ペットを連れての避難だ。
地震が発生した直後に県庁にペットを連れて避難してきた人は「(犬は)避難所によっては受付がだめなところもあるので、避難が長くなると車の中になってしまうのかな」と不安を口にしていた。
こうしたニーズに応えようと新潟市西区の黒埼市民会館では、通常の避難所とは別にペット同伴避難が可能な避難所が設けられている。
同伴避難ができるよう3階の美術工作室を4つのエリアに区切ってペットの受け入れスペースとした。
新潟市動物愛護センターの登坂友一所長は「ペットを皆さん家族だと思われているので、同じ家族を見殺しにしないというような意識が高まってきていると思っている」と開設に至った思いを語る。
この同伴避難は多くの避難所で採用されている飼い主とペットが異なる場所で過ごす同行避難とは異なり、ペットと同じ場所で過ごすことができる。
新潟市内でも同伴が可能な避難所は限られているのが現状だ。
「不安な時だからこそ離れたくない」
現在は避難所にいるペットはいないが、1月16日は西区役所の田中美友紀さんが愛犬のロンくんとそのスペースの確認を行っていた。
「ペットを飼っているものとしては、災害時で不安な時だからこそ逆に離れたくない。ぬくもりを感じて一緒に過ごしたいという気持ちが本音だと思うので、こういった受け皿があるのは安心できる」
避難所にはペット用の備えも
ペットの体調も考慮し、餌などはできるだけ持参してほしいとしているが、全国から届いた支援物資のほか、県獣医師会から寄贈された支援キットもあり、ある程度のものは備えられている。
登坂所長は「ペットを連れているということで、避難所に行くこと躊躇している方がいると思うので、ニーズにできるだけ応えられるよう、これから色々検討していきたい」と話した。
日頃からの備えも重要
有事の際に備えてペットを日頃からケージやキャリーに慣れさせておくことや何日か分の餌やシーツを用意しておくことも重要だ。
また、登坂所長は「犬や猫以外の場合でも自治体や動物愛護センターに気軽に相談してほしい」と話している。