
2月の強い寒波の影響を受けた雪下野菜。例年にはない大雪により、新潟県上越市の畑では雪下キャベツが収穫できない状態になっていました。寒波から3週間以上が経った畑の現状は…。
■1m以上の積雪で“雪下キャベツ”収穫できず…
2月下旬に県内に大雪をもたらした強烈な寒波。
【高田圃場 早津知祥さん】
「見える範囲すべてがキャベツ畑。1m近くの雪のおかげで人が立ち入ることができず、1万玉はまだ雪の下に残っている」
影響を受けていたのは、雪の下で寝かせることで甘みとうまみが増す雪下野菜の畑です。
例年の2月の積雪はキャベツが見える程度の10cm~30cmほどだといいますが、今年は1m以上の積雪があり、収穫コストとの収入の採算が合わないため収穫できない状態に。
それから3週間以上が経った3月11日。
【齋藤正昂アナウンサー】
「気温が上がり、雪どけも進む中…キャベツ畑は依然として一面真っ白になっていて、雪で地面は見えていない状態です」
【高田圃場 早津知祥さん】
「3月中旬まで雪が残るなんてあんまりない」
■野菜高騰する中…収穫できない現状に「残念で仕方ない」
前回の取材時よりは積雪は少なくなったものの、依然として畑は雪に覆われたまま。
【高田圃場 早津知祥さん】
「まだ雪が消えていない。いまだに収穫ができていない状態」
試しにスコップで雪を掘ってみると…
【齋藤正昂アナウンサー】
「雪がシャリシャリ」
【高田圃場 早津知祥さん】
「とけては凍ってで、水っぽい雪」
【齋藤正昂アナウンサー】
「重たい感じ」
この重みのある雪で労力がかかる上に、運搬車も畑に入れることができないため、収穫を再開することができていないのです。
【齋藤正昂アナウンサー】
「キャベツってこんなに甘くなるんですね」
【高田圃場 早津知祥さん】
「青臭さも少ないし、甘みが残っているというおいしい状態のキャベツ。キャベツも高いと言われている中、少しでも出せれば安く提供もできるし、私自身もまた生活に影響してくるし、そういった部分で残念で仕方ない」
■今シーズン 雪下キャベツの収穫は断念…
畑に残っているキャベツは約1万玉。本来なら300万円ほどの売り上げになりますが、春からは同じ畑で枝豆の栽培を始めなければなりません。
【高田圃場 早津知祥さん】
「雪がどけ次第だが、すぐに畑を打ち込んで肥料をまいて枝豆の準備をしないと間に合わない。キャベツは砕いて畑につけこんで収穫できずにおしまいになってしまう」
経験のない積雪により、今シーズンの雪下キャベツの収穫は断念する見込みですが、早津さんはこの教訓を今後の雪下野菜の栽培に生かしたいといいます。
【高田圃場 早津知祥さん】
「何かしらで工夫をしながら、できるだけ出荷できるようにしたい」