柏崎刈羽原発“県民投票”めぐり…“慎重”知事意見に市民団体反発「有権者に真摯に向き合っていない」 経済界からは早期稼働求める声 新潟

東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働の是非を問う県民投票について、新潟県の花角知事は「県民の意思を確認する今の段階で、二者択一では得られる情報が少ない」と改めて自身の考えを示しました。条例制定を請求した市民団体はこの知事の考えに「有権者に真摯に向き合っていない」と厳しく批判しています。

東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働の是非を問う県民投票について、新潟県の花角知事は「県民の意思を確認する今の段階で、二者択一では得られる情報が少ない」と改めて自身の考えを示しました。条例制定を請求した市民団体はこの知事の考えに「有権者に真摯に向き合っていない」と厳しく批判しています。

■知事 “県民投票”に明確な賛否示さず慎重な姿勢

【東京商工会議所 小林健 会頭】
「需要地である我々、特に首都圏の経済界として早期の再稼働を期待している」

4月9日、柏崎刈羽原発の視察に訪れたのは、東京商工会議所の会頭などです。

【東京商工会議所 小林健 会頭】
「首都直下地震等、万が一の事態に備えるためにも早期再稼働が不可欠である」

首都圏の経済界などから早期の再稼働への圧力が高まる中、柏崎刈羽原発の再稼働の是非をめぐっては3月、市民団体が県民投票の実施に向け、条例の制定を直接請求しています。

そして8日、花角知事は条例案につける知事意見について明確な賛否は示さない一方「賛成・反対の二者択一の選択肢では、多様な意見を把握できない」などと慎重な姿勢を示す意見を正式に公表。

9日の会見では「住民投票制度自体は否定していない」とした上で。

【花角知事】
「今のフェーズは県民の意思受け止めを見極める・探るという段階。ゼロではないが、得られるものは少ないよねというのが私の気持ち」

■市民団体 知事に対し「真摯に向き合っていない」

一方で、約14万3000人分の署名を集め、条例案を直接請求した市民団体はこの知事の意見に対し…

【県民投票で決める会請求代表者 水内基成 弁護士】
「知事の意見は14万人を超える有効署名者、有権者の意見に真摯に向き合っていないものだと私たちは言わざるを得ない」

こう厳しく批判したうえで「二者択一には限界がある」とした知事の考えに対しては県議会での熟議を訴えました。

【県民投票で決める会事務局 中山均 新潟市議】
「我々は物事を単純化するのではなくて、熟議をして、最終的に○×で判断してほしいということをお願いしている」

■“信を問う方法”選択肢の中に県民投票は…

一方、知事は条例案の不備も指摘していることから、県議会では一部の会派が修正案の提出を検討しています。

【未来にいがた 大渕健 代表】
「修正案の準備はする。不備が明らかに指摘されているから」

【リベラル新潟小泉勝幹事長】
「文言の不足という指摘を受けている。これを受けている以上、それを修正する、そうした活動はしていかなければいけない」

一方、信を問う方法について、いまだ明言を避ける花角知事ですが、「県民の意思を確認する方法としては、公聴会や市町村長との対話が考えられる」と説明。その選択肢の中に県民投票は入っていませんでした。

県民投票条例案を審議する臨時県議会は4月16日から3日間の日程で開かれます。

最終更新日:Wed, 09 Apr 2025 18:37:24 +0900