拉致被害者・横田めぐみさんの公開捜査などに使われた写真は、48年前、父・滋さんによって撮影されました。この場所に4月10日、新たに桜が植樹され、母・早紀江さんは「めぐみの喜ぶ顔が見たい」とその帰国に思いを募らせました。
■めぐみさんを象徴する一枚の写真
48年前の4月10日、風疹にかかり、寄居中学校の入学式を欠席しためぐみさんを父・滋さんが後日、撮影した写真。この7カ月後、めぐみさんは北朝鮮に拉致されます。
【めぐみさんの父・横田滋さん（1997年）】
「休みの日を利用して（学校に来て）ちょうど桜が咲いているときに制服を着て写真を写した。それが手配写真になったり、あんな形で使われるとは」
公開捜査や救出活動で広く活用されたこの写真は、いつしかめぐみさんを象徴する一枚になりました。
【めぐみさんの母・横田早紀江さん】
「あのときは、ものすごくうれしかったでしょうね。うれしくて、うれしくて。『引っ張り回したらめぐみちゃんが嫌がるよ』と言っているのに『大丈夫、大丈夫』と連れて行って。（めぐみさんが）『まだ、そこも行くの？』と言いながらついて行って写してもらっていた」
【松村道子キャスター】
「写真の中で、めぐみさんのすぐ隣に写っている桜。幹がヒビ割れるなど傷みが激しくなっています。その奥の桜2本はいずれも、もう朽ちてしまっている状態です」
■早期帰国祈り…同級生が“5本の桜”を植樹
この状態を見かねためぐみさんの同級生が4月10日、同じ場所に桜を植えました。
【再会を誓う同級生の会 池田正樹 代表】
「同級生たちで。横田家が5人家族だったので、5本の桜を植えて、めぐみさんの早期帰国を祈りたい」
早期の帰国を願いながら、同級生は5本の桜に丁寧に土をかぶせていきました。
植樹について報告を受けた母・早紀江さんは…
池田 代表：「同級生たちで5本の桜を植えさせていただいて」
早紀江さん：「みんな集まっていただいて、ご苦労様ですね」
【横田早紀江さん】
「美しい桜を見ると、毎年めぐみちゃんの春の様子を思い出して切なくなっている。日本政府の方たちは、命がけと言っていい気持ちで今も堪え忍んで暮らしている人たちを取り返してほしい」
■母・早紀江さん 桜に希望込める「喜ぶ顔を見たい」
これまでの政権と同様、石破首相が“最重要課題”とする拉致問題。
【再会を誓う同級生の会 池田正樹 代表】
「（早紀江さんは）89歳。あす何があってもおかしくないくらいの歳なので、何かある前に、早くめぐみさんと早紀江さんだけは強く抱き合ってほしいと強く思う」
全く動きが見えない現状に関係者が焦りを募らせる中、早紀江さんは5本の桜に希望を込めました。
【横田早紀江さん】
「こんなにそういうこと（植樹）をしていただいて感謝でいっぱい。めぐみちゃんが帰ってきたら、本当にどんなに喜ぶかと思ってね。その顔が早く見たい」
