横田滋さん死去から3年 早紀江さんの切実な思い「2年だけでも命をください…」日朝会談の実現は

北朝鮮が交渉への態度をやわらげているとも取れる発言をするなど、新たな展開が期待される拉致問題。娘の救出に人生を捧げた拉致被害者・横田めぐみさんの父・滋さんが亡くなって6月5日で丸3年です。
北朝鮮が交渉への態度をやわらげているとも取れる発言をするなど、新たな展開が期待される拉致問題。娘の救出に人生を捧げた拉致被害者・横田めぐみさんの父・滋さんが亡くなって6月5日で丸3年です。

【めぐみさんの父 横田滋さん(2003年)】
「太って目が細かったから御所人形だとか…。女の子の褒め言葉にならないんだけど」

娘の写真に目を細め、その存在がどれほど愛しいものだったかを語る横田滋さん。

娘の救出活動の先頭に立ち続けた滋さんの死から6月5日で3年です。

【めぐみさんの母 横田早紀江さん】
「とにかく真面目な人。やり遂げるまでは、命がなくなるまでは頑張るぞと思っていたと思うから、本人もそんなに悔いていないと思う。全身全霊やり遂げたから、本当に感謝している」

帰国を果たせていない拉致被害者の親世代は2人のみに。再会までの時間が日一日と少なくなる中、膠着状態だった拉致問題に新たな動きも出てきています。

5月の国民大集会…

【岸田首相】
「首脳会談を早期に実現すべく、私直轄のハイレベルで協議を行って参りたいと思います」

岸田首相が日朝会談の実現へ、一歩踏み込んだ発言をしました。

これに対し、北朝鮮側は、「日本が過去にとらわれず関係改善を模索しようとするなら、両国が会えない理由はない」という外務次官の談話を北朝鮮メディアが報道したのです。

【めぐみさんの母 横田早紀江さん】
「向こうの上の方がちょっと否定的でないコメントをなさったのは初めて」

早紀江さんは日朝交渉の実現を期待する一方で…

【めぐみさんの母 横田早紀江さん】
「死んでしまうってこういう瞬間なんだなと思った。もうこれで終わりなんだって」

今年3月に体調を崩し入院。初めて死を意識したと話します。

めぐみさんの弟で家族会代表の拓也さんが金正恩委員長に向けて訴えたのは親としての心でした。

【拉致被害者家族会 横田拓也 代表】
「金正恩委員長、あなたの横に座るあなたの娘さんの映像を私たちが目にするとき、あなたも親として愛する子どもが大切である気持ちを持っていることを私たちは感じ取っている。その同じ気持ちを拉致被害者家族の親世代も持っていることを忘れないでほしい」

娘の救出に命を懸けた滋さんの思いを胸に…

【めぐみさんの母 横田早紀江さん】
「もう2年だけでも命をください。まだ頑張れる力をください」

今度こそ交渉のテーブルにつくことが期待されます。