新潟県知事選“原発再稼働”が争点の一つに 「県民に信を問う」議論呼ぶ花角知事の発言 各立候補予定者の訴えは?

5月14日に告示を迎える新潟県知事選挙。争点の一つとなるのが、柏崎刈羽原発の再稼働をめぐる花角知事の発言だ。8年前の知事選から繰り返してきた「県民に信を問う」という言葉が議論を呼んでいる。
NST新潟総合テレビ

5月14日に告示を迎える新潟県知事選挙。争点の一つとなるのが、柏崎刈羽原発の再稼働をめぐる花角知事の発言だ。8年前の知事選から繰り返してきた「県民に信を問う」という言葉が議論を呼んでいる。

■新潟県 原発再稼働へ“地元同意”求められる

柏崎刈羽原発

4月16日に営業運転に移行した東京電力・柏崎刈羽原発6号機。

柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は「大きな事故を福島第一原発で起こした当事者。その反省と教訓は決して忘れることなく、今後、安全最優先で運転を続けていく」と決意を述べた。

福島第一原発事故後、初めて原発の営業運転を再開させた東京電力。この原発の再稼働にあたり、新潟県は“地元同意”が求められていた。

■繰り返してきた「県民に信を問う」 知事は“県議会”を選択

花角知事

2018年に行われた知事選。

原発再稼働問題が争点として大きくクローズアップされる中、初めて知事選に挑戦した花角知事は「しっかり熟慮して一定の決断を下し、県民に職を賭して信を問う。安全性がしっかりと検証されて、かつ県民の納得がない限り動かしません」と、原発の再稼働については自身で判断を下し「県民に信を問う」と繰り返してきた。

ただ、その方法をめぐっては、「『信を問う』という言葉は想像できるものがありますよね。何度も申し上げている『信』という言葉を使えば信任・不信任。存在を賭けるということ」と明言を避け続けてきた。

2025年11月に柏崎刈羽原発の再稼動を認める判断を下すと「そろそろ結論を出さなければいけないという中で、県議会に信任・不信任をお諮りする方向が適切だと判断した」として選挙ではなく県議会で諮ることを選択した。

■土田県議 「信を問う」めぐり花角知事を追及

土田竜吾県議

県が実施した意識調査では、県民の6割が再稼働の条件は整っていないと回答する中、再稼働容認の立場の自民党が単独過半数を占める県議会で「信を問う」とした花角知事。

この議会で花角知事を追及したのが、知事選への出馬を表明することになる土田竜吾県議だ。

「現状に対して、ある意味、議論を打ち切って再稼働の理解に了解するというのは、この理由を出すというのは、私は不適切だと思う」

県議会

この土田県議の意見に対して、花角知事は「行政の姿勢としてここまで材料が揃い、判断が行われたのであれば、ここは速やかに事態を動かしていかざるをえないというふうに思っている」と答えた。

「もう政治判断だということだと思うので、県民に信を問うというところの原点に立ち返ってもらって、しっかりと責任を果たしていただくことを強く要望する」と返した土田県議。

しかし、県民が住民投票や選挙などで直接意思を表明する場は設けられず。花角知事を信任する付帯決議案が賛成多数で可決され、国に再稼動の了承が伝えられた。

■「これは約束違反」土田県議 花角知事の政治姿勢批判へ

土田竜吾県議

今回の知事選で、この花角知事の政治姿勢を批判する考えの土田県議。

「県民に信を問うと言いながら、県議会に信任・不信任を伺うという形で進められてしまった。これはやはり約束違反じゃないですかと。これからの県政、しっかりと約束を守る県政、皆さんの不安に寄り添う県政に転換していかなければいけない」

そのうえで土田県議は「花角県政の信を問う」選挙と位置づける。

「雪のときの避難の課題だったり、東京電力が運転することへの適格性の不安だったり。様々なやはり不安な思いをお持ちの方が県内たくさんいらっしゃるというのが現状」

自身は原発に対する県民の不安に寄り添う県政を行っていくと主張。避難道路の整備など安全対策に力を入れ、さらに東京電力へのチェック体制も強化すると話す。

その一方で、「今動いているものに対して停止をする権限というのが、新潟県が持っているという状況ではなかなかない」と、すでに再稼働した柏崎刈羽原発6号機の停止などには踏み込まない考えだ。

■“反原発”訴える安中氏 原発廃止・県民投票条例の制定目指す

安中聡氏

これに対して立候補予定者の中で唯一、反原発を掲げているのが、元五泉市議の安中聡氏だ。

「この原発への反対、原発の廃止、そして県民投票条例の制定。これを県民の皆さんに訴えていきたいというふうに考えている」

福島第一原発事故の収束は見通せず、国際情勢も不安定さを増す中、いつ起こるか分からない地震の不安におびえながら原発を動かすのは危険だと指摘する。

「私が当選するということは、原発廃止を願う方が出て、それで当選するという話になるから、県民の声を十分に聞いているということになる。前の知事の決断というのは間違っていたのだから、それは今回動かしている柏崎刈羽原発というのは止めていただきたいというのを率直にお話しさせていただく」

さらには、いずれ原発推進の知事が再び就任した場合に備え、県民投票条例の制定を目指す。

安中氏は「県民の声をちゃんと聞かなくてはだめなんだというような土壌づくり、これも並行してやらなくてはいけない」と訴える。

■花角知事「私が取り組んできたこと全てを評価していただきたい」

花角知事

「信を問う」としてきた自身の発言をめぐり批判の声が上がる中、当の花角知事は「県民の原子力発電に対する理解が十分ではない」と、柏崎刈羽原発を視察した赤沢経産大臣に原子力発電に関する県民の理解促進の国の取り組みを改めて要望。

ただ、ほかの候補予定者が原発の再稼動プロセスを争点化したいのに対し「私がやってきたこと、取り組んで来たこと、その全てを評価していただきたい。これを一貫して申し上げている」と主張した。

果たして今後の県政の舵取り役を任されるのは誰になるのか。

知事選は5月14日告示、31日投開票だ。

最終更新日:Tue, 12 May 2026 05:00:00 +0900