【記者リポート】
「H3ロケット2号機の打ち上げまで5分を切りました。長岡高専の関係者も期待感を持って見守っています」
【長岡高専 電気電子システム工学科 矢野昌平 教授】
「私はアニメが大好きなんですけど、エヴァンゲリオンとか『成功』と言わないんですよ。『軌道投入!』みたいに事実を伝える。ああいう、かっこいい言葉を聞きたい」
17日、種子島宇宙センターから打ち上げられたH3ロケット。
その様子を見守っていたのは、JAXAに「AIカメラ」の技術を提供した長岡高専の矢野昌平教授と研究室の学生たちです。
【長岡高専 電気電子システム工学科 矢野昌平 教授】
「(地上から)打ち上げるメイン燃料は水素と酸素だが、宇宙で使うためにはヒドラジンという燃料を使う。そちらの燃料の温度・湿度管理(の監視技術)を提供した」
人工知能で温度計の針などアナログの数値を読み取ることができるAIカメラ。
ヒドラジンは引火しやすいため、保管室内に電気機器が入れられず、アナログの温度計や湿度計が使われていて、その監視に使われていました。
そして、打ち上げから数分後…
【長岡高専 電気電子システム工学科 矢野昌平 教授】
「ここから、ここから。このセカンドエンジン、イグニッション♯1が(前回)失敗した。これ大事ですね…」
去年3月には2段階目のエンジンが点火せず、打ち上げが失敗していることから、その成功を祈る手にも力が入る中…
【長岡高専 電気電子システム工学科 矢野昌平 教授】
「お~、これは大成功ですね!」
【JAXAアナウンス】
「H3で軌道に投入された最初の衛星となりました」
打ち上げは無事に成功!
【長岡高専 電気電子システム工学科 矢野昌平 教授】
「この打ち上げの、どんな些細なことでもいいので関われたということはすごく誇らしい。頑張ってくれた、当時、学生だった彼らもすごく誇らしいと思う」
【学生】
「研究室の中で作ったものだけではなくて、それが実際に社会実装されて、JAXAの中で使われるっていうのがすごい誇らしいというか、もうすごく尊敬」
【学生】
「自分もちゃんと勉強して、(技術開発で)長岡をもっと盛り上げていきたい」
失敗を乗り越え、さらなる宇宙開発への大きな一歩となったH3ロケット。
地元企業から寄せられた相談をもとにAIカメラを開発した矢野教授は、技術開発にとって必要なことは楽しむことだと話します。
【長岡高専 電気電子システム工学科 矢野昌平 教授】
「最終的には、日本の経済とか世界の技術力を上げるとか、そういうところで活躍してほしいと思うが、まずは、やはり楽しめる、そういう技術をどんどん学んで、そして楽しみながら仕事をするということをやっていただきたい」
多くの技術者の楽しむ気持ちを乗せて!日本のロケット開発は新たなステージを進んでいきます。最終更新日:Mon, 19 Feb 2024 19:41:46 +0900