国際レベルのスキー場やインフラが整う新潟県
新潟への五輪招致への話が上がったのは2016年1月。
新潟県には国際レベルのスキー場が整備されていることや新幹線や高速道路などのインフラが整っていること。また、オリンピック初開催であることなどをアピールポイントに新潟経済同友会が2030年大会を招致すべきと県と新潟市に提言したのが話の発端だ。
では、一体この提言の行方がどうなったのか、新潟市に話を聞いた。
提言を受けた2016年の7月に政令指定都市市長会が開かれたが、この時にはすでに札幌市が2026年大会への招致に手を上げていたという。
そのため、当時の篠田新潟市長は「2026年大会の札幌招致を応援することに異論はないが、もし実現しなかった場合は“2030年大会で新潟市が招致すべき”という提言を新潟経済同友会から受けている」と発言。
新潟単独での招致は難しい…
しかし、この4カ月後の2016年11月、新潟経済同友会が主催したシンポジウムで篠田前市長は「新潟市では競技を開催できる施設がないため、単独での招致は難しい。上越市や妙高市・湯沢町など全県で進めるべき問題」との認識を示したという。
オリンピックは基礎自治体が開催しなければならないため、県が開催地に手を上げるワケにはいかず、新潟県内単独での開催は難しい状況に。
これを受け、新潟経済同友会は1998年に冬季オリンピックを開催した実績のある長野との共同開催の道を模索。
しかし、長野オリンピックで使用した施設も現在の五輪規格に適合せず、改修が必要となることから長野県側からは「現実的には難しい」との返答を受けたという。
“新潟オリンピック”と聞くと夢は膨らむが、実現するためには国際規格にあった施設の新設や改修が必要となり、莫大なコストがかかるため、招致へのハードルは非常に高く、五輪招致の話しは立ち消えたということだ。