人口減少対策に力を入れる新潟県。若い人材の確保や雇用を創出するため、IT関連企業の誘致に取り組んできた。その結果、誘致数は右肩上がりで、2023年度は34社と過去最多に上った。2024年度も早速、その成果が見えている。
企業誘致に力入れる新潟県 “企業が企業を呼ぶ環境”に
4月22日、新潟県庁を訪れたのは、東京に本社を置き、2024年11月に県内へ進出する予定のIT企業だ。
SNSなどで発信力を持つインフルエンサーと、商品などを宣伝したい企業をマッチングするサービスを行うこちらの企業。
新潟を選んだ理由について、都心に近く、補助金などの制度が充実していたことに加え、すでに多くの企業が進出している実績がある点を挙げた。
表敬したトリドリの中山貴之社長は「すでに様々なITの先輩のベンチャー企業の皆様が新潟に来ているということもあって、そういった意味で、こちらでITのベンチャー企業との交流であったりとかも期待できるのかなと思ったし、地方の拠点としてはベストな土地なんじゃないかなと思った」と話した。
中山社長の話からも、誘致が進むことで他の企業も進出しやすい環境になるという良い循環ができていると言えそうだ。
もともとIT企業などは他の企業・仲間と情報を交換したり、連携をしたりして新しいものを創ろうという意識が高い傾向にあることから、県は誘致した企業がさらに企業を呼び込むような環境につなげたい考えで、今回まさにその戦略が実を結んだといえる。
“転出超過”も過去最多に…「アフターフォローにも力を」
一方で、気がかりな情報も。
民間の信用調査会社の調べで2023年、本社を県外へ移転した会社の数は、県内に移転した会社の数を上回る「転出超過」となっていて、その数は過去最多の12社となった。
県・産業立地課は、「個々の会社の事情はわからないが、県としては今後も誘致を進めるとともに、新潟に根付いてもらえるようアフターフォローにも力を入れていく」と話している。