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新潟県佐渡市の加茂湖ではクロダイの食害によりカキに大きな被害が出ています。専門家は去年1月の能登半島地震が影響している可能性も指摘しています。
【漁師】
「去年と違ったことをやらないと、地獄に落ちるというような感覚でいる」
こう悲痛な思いを訴えるのは、佐渡市の加茂湖でカキの養殖を行う漁師たちです。
昨シーズンは65tあったカキの水揚げが今年は40tに達しない見込みとなっていて、漁師の頭を悩ませています。
その大きな要因となっているのが、クロダイによる食害。
2月15日は、加茂湖で何が起きているのか専門家などが調査結果を報告しました。
【佐渡潜水 正司正 会長】
「青潮が地震によって引き起こされたのかな」
去年1月の能登半島地震の揺れで湖の底に堆積していた汚泥や有機物などが海面に浮かび上がり、“青潮”と呼ばれる現象が発生。
青潮が発生すると湖の酸素が不足するため、魚や貝などが生息できなくなります。
エサが不足する中、養殖用の種カキが湖に投入されることでエサを求めるクロダイがそれを狙ったため被害が拡大したとみられています。さらに…
【漁師】
「カキが大きくなって殻が固くなって、その状態でもクロダイはカキを食べていると思っていいのか?」
調査の結果、クロダイは殻が大きくなったカキも食べていることや食欲が下がるとされてきた冬でもカキを食べていたことが判明。
関係者は今後、クロダイのエサとなる藻や他の生物が生息できるよう、市民の協力を得ながら水質改善などに取り組む方針です。
【加茂湖漁協 山本博文 組合長】
「まずは自分たちで努力して、それでダメなら行政の力を借りて、というところ」