
新潟県知事選挙の争点の一つ『地域医療』。人口減少に伴い求められる医療の再編や医師不足など山積する課題に対し、各候補はどのように対応していく考えでしょうか。
県知事選挙には、届け出順にいずれも無所属で現職の花角英世さん、新人の土田竜吾さん、新人の安中聡さんの3人が立候補しています。
■“病院経営”危機的状況に…医療再編進む
今年1月、阿賀町が県に要望したのは、町で唯一の病院である県立津川病院の診療体制の継続。県に対し、地域の医療体制をめぐるこのような要望が相次いであがっています。
背景にあるのは、県立病院の危機的な経営状況です。
【県病院局 金井健一 局長(去年6月)】
「極めて深刻な事態で、喫緊の対応が必要なものと認識している」
県立病院では、人口減に伴う患者の減少や物価高騰などの影響で2024年度に過去最大となる46億円の赤字を計上。今年度も当初予算ベースで45億円の赤字が見込まれています。
こうした中で県は今年度、十日町市の県立松代病院を入院機能のない無床診療所へと転換。
今後も津川病院を含む、いわゆる“へき地病院”の機能や規模の見直しのほか医療の再編を進める考えです。
さらに、県立病院と並び“二大医療ネットワーク”と位置づけられ、11の病院を運営するJA新潟厚生連も経営は苦しく、医療体制の維持に向け、医療の再編が求められています。
医師の不足も深刻です。県内の人口10万人あたりの医師の数は238.4人で全国43位と低迷。
いかにして医師を定着させるのか大きな課題となっています。県民の命に直結する地域医療に問題に各候補者は?
■花角候補 訪問看護など“在宅医療”に力
【無所属・現職 花角英世 候補】
「県民がどこに住んでおられても適切な医療を受けられる環境をしっかりつくっていかなければならないと思っているし、病院に行って治療を受ける、医療を受けるだけではなくて、自宅でも適切な医療を受けられるように、在宅の医療に私は力を入れていきたいと思っている」
花角さんは訪問看護や介護、遠隔医療などを活用し、自宅にいながら必要な医療を受けられる環境づくりに力を入れるとします。
また、大学の医学部と連携し、医学生が卒業後、一定期間県内の医療機関で勤務することを条件に奨学金の返済を免除する“地域枠”を増やしてきた実績を強調。
国とのパイプを生かし、医師不足解消へ働きかけを続けるとします。
【無所属・現職 花角英世 候補】
「新潟県の地域枠、この重要性というものを理解していただいて、ご協力をいただいている。確実にそういう意味では新潟県で働いていただける医師を確保できている。医師偏在の問題というのは全国的な課題。国家的な、ある意味では課題なので、国に対して、医師を養成していく色んな制度を見直してもらう働きかけ、これも重要だと思っているし、引き続きやっていこうと思う」
■土田候補 “職場環境・賃金改善”の必要性強調
【無所属・新人 土田竜吾 候補】
「賃上げを行わないと、医師も看護師もスタッフの皆さん、この新潟県で働くモチベーションがなくなってしまう。私はしっかりと県立病院のスタッフの職場環境の改善、賃金改善を行っていく。その流れを民間の病院にも必ず波及させる」
土田さんは県立病院の昨年度分の職員の給与引き上げが一部凍結されているとして、医師などの離職を防ぐために賃上げの必要性を強調します。
また、地域医療の再編をめぐっては、その必要性を認める一方で、スケジュールや意義についてタウンミーティングなどを通し、住民に丁寧に情報発信し、理解を得た上で進めることが重要だと話します。
【無所属・新人 土田竜吾 候補】
「まずは処遇改善、職場環境の改善を県立病院の皆さんに対してしっかりと行っていく。それがまず1丁目1番地かなと考えている。住民理解が進まない中での医療再編は私はやってはいけないと考えているので、私が知事になったら医療再編については、しっかりと私自身が町に出て、タウンミーティングなどを通して住民の皆さんと意見交換をしていきながら、今後の地域の医療像をしっかりと共有していきながら進めていきたい」
■安中候補 交代制の医師派遣制度づくりへ
安中さんは医師がいない地域に数年ごとの交代制で常勤の医師を派遣する制度をつくり、医師がいない状態の解消を図る必要があると話します。
また、医療機関の機能の見直しにも触れます。
【無所属・新人 安中聡 候補】
「1~2年そこで医師として働いてもらい、また帰ってもらう。また別の方が1、2年行くというような、私は転勤制と言うが、そういった形で転勤してもらう。そういう形で無医村をなくし、医者がいるというような状況にできないか。医師の集中というのか、緊急性の高いところは技術が大変高い医師に行ってもらって、回復期のところでは、ある程度の患者の面倒を見られる医師に行ってもらうというような形で、分業というか、そういった形での病院再編というのは必要なのかなと考えている」
安心して暮らせる新潟へ…どの候補がかじ取り役を担うことになるでしょうか。
最終更新日:Fri, 29 May 2026 05:00:00 +0900




