海外挑戦から約5カ月…サッカー日本代表初招集・伊藤涼太郎選手の決意「自分にしかないプレーを」

2024年元日に行われるサッカーの国際親善試合で、日本代表に初めて選ばれた元アルビレックス新潟でベルギー1部リーグ・シント=トロイデンVVの伊藤涼太郎選手。

初の海外挑戦から約5カ月が経ち、早くも「日の丸を背負う」という夢を叶えた伊藤選手に試合への意気込みを聞いた。

代表初選出「試合に出続けていることへの評価」

――選ばれたときの率直な感想は

正直びっくりしましたけど、素直にうれしかったです。

伊藤涼太郎 選手

――どこで代表入りを知ったのか

クラブのスタッフから無料通話アプリに連絡がきて、そこからちょっと経って、代表のスタッフの方から電話がきました。素直にうれしかったし、すぐにやってやろうという気持ちになりましたね。

やっぱり選ばれるだけじゃなくて、選ばれたからには今後につながるようなプレーをしないといけないのかなと思いました。

――代表初選出だが、その要因は

ベルギーでプレーしていて、(ゴールやアシストの)数字のところでなかなか足りないところというのはありますが、やっぱり試合に出続けているというところを評価してもらっているのかなと思いますし、新潟時代のパフォーマンスを見てもらった選出なのかなと思います。

「思ったよりも難しいリーグ」徐々に順応し手応えも

――ベルギーに渡って5カ月。ベルギーでのプレーは

思ったよりも難しいリーグだなと思いますし、手応えということに関して“もっともっとやれるな”というところもあるので、少し慣れていけばどんどん数字を伸ばせるという手応えはあります。

まずはそこにしっかりと順応しないといけないのかなと思います。

――順応というのは、どのような部分で

相手のプレッシャーや強度というのはもちろん、やっぱりベルギーリーグ、特にシントトロイデンもそうだと思いますが、本当に5大リーグに行きたい選手やどんどんステップアップしたいという選手がたくさんいます。

そういった選手の、いい意味でエゴだったり、いいところに立っていてもボールが来ないというところが多々ある。そういったところ、自分もやっぱりその中でも違いを見せないといけないというところに手こずっているというか、少し難しいところがある。

それもできる選手にならないといけないというのも十分実感しています。

――ベルギーならではの難しさ

ベルギーリーグの難しさでいうと、相手のプレススピードやプレースピード、日本とは全く違う強度の中でのサッカーなので、そういったところに慣れる必要があるかなと思いますし、今まで感じたことのないスピード感を感じています。

パスの速さや技術系に関しては、僕は間違いなく日本の方が高いと思います。でも、一人一人シンプルに足が速いというところ、海外の選手の特徴的なところというのは、ベルギーリーグがすごく高いところにあるかなと。

技術に関しては、正直ほかの5大リーグに比べたらかなり劣ると思いますが、身体能力的なところの能力は高いかなと思います。

――ベルギーリーグで感じられた手応え

自分の強みであるドリブルやパス、そういったところはこちらのリーグに通用すると思いました。でも、やっぱりバイタルエリア(ペナルティエリア手前の部分)のところで、けっこう下がってもらいたい選手が多いというか。

スルーパスを通すシーンというのはかなり減りましたが、その中でもバイタルでもらったときに一人でこじ開けるような力が必要だなというのは思いました。

ライン間で受けたときのパスやシュートというところはやっぱり負けないなというか、こちらのほうが全然やれるなという実感はあります。

こちらに来てから、より強いシュートを打つというところは意識しています。キーパーのレベルは非常に高いですし、シュートストップのところに関して本当にベルギーリーグのキーパーは長けているので、日本にいた時よりも強いシュート、パワーのあるシュートを打たないとなというのは感じています。

練習環境に違いも「もう少し自主練習したい」

――新潟時代は選手一人になるまで居残りでシュート練習をしていた

シュート練習をしたいという意識はありますが、なかなか自主練習をさせてくれない。

選手のケガを本当に心配するというか、練習外のところでの練習をさせてくれないという監督やコーチは海外には結構いるんだなというのは感じたので、その中でもやっぱり正直もうちょっとシュート練習をやらせてほしいという気持ちはあります。

――日本のファンからの応援は届いているか

たくさんのメッセージは頂いているので、応援してくれている人たちがいるというのは感じています。

日本の方からのメッセージが本当にたくさんありますが、その中でもやっぱり多くの人たちが新潟サポーターの人なので、本当に新潟サポーターの方は熱いなと感じています。

――12月初旬の雪が降る中での試合でもゴールを決めた

試合や雪の中でやるのは初めてだったので、今までの試合の中で正直一番寒かったです。

新潟もすごく雪は降りますが、公式戦のときは雪が積もったり降ったりはしなかったので、今までで一番寒い公式戦でした。

ボールも滑りやすいし、ゴロのパスだと止まるし、ボールというより、自分が滑ったりするシーンがいくつかあったので、それも難しかったですね。こっちは冬でもシーズンが続くので、慣れていくしかない。

――今シーズンのアルビレックス新潟の試合はベルギーでも見ていたか

新潟の試合は結構見させてもらっている。ただ、選手や監督はたぶん10位というところに満足はしないと思いますね。

サポーターの方たちの「いい順位で終わった」というコメントをちらほら見ますが、やっぱり選手はもっと多くの手応えを感じたと思うし、もっと上にいけるという手応えを感じていると思います。

僕自身、見ていてもそう思いましたし、新潟はもっともっと上の順位にいってタイトルをとるチームになると思うので、来シーズンぜひ期待したいです。

GK小島選手と一緒に代表に選ばれるように

――アルビのゴールキーパー小島亨介選手が10月に日本代表に選ばれた

小島選手のニュースはもちろん届きましたし、すごいなと思いました。おめでたかったし、本当にいいキーパーなので選ばれて当然かなと。びっくりしましたけど、代表に入るだろうなと思いました。

すごく刺激になりましたし、自分もやっぱりそこに入りたいなというのはすごく感じました。

アルビレックス新潟 小島亨介 選手

――小島選手とは新潟だけでなく大分でもチームメイト

新潟時代はともに試合に出て切磋琢磨しましたけど、大分時代は試合に出られずに苦しい時期を過ごしたことをお互いに知っています。

そういった選手が代表に選ばれて、今回も僕も選ばれましたけど、感慨深いものがあるというか、苦しいときを共にしたからこそ乗り越えたという実感がお互いあると思います。

これから先も一緒に代表に入れるように、僕はベルギーでしっかり頑張っていきたいと思います。

――松橋監督が代表初選出についてコメント

知りませんでしたね。でも、代表に選ばれて皆さんの前に帰ってきたいというのは、ベルギーに来る前に言っていたので、僕もビッグスワンに帰りたい。

またビッグスワンで日本代表がやる機会があれば選ばれたいなと、選ばれないといけないなと思っているので、力さん(松橋監督)の愛のある言葉をしっかりと受け止めて、こちらで頑張りたいと思います。

アルビレックス新潟 松橋力蔵 監督

――1年半過ごした新潟が恋しくなることは

恋しくなりますし、一番は食べ物のところですね。

本当に新潟のおいしいご飯をたくさん食べてきた中での海外移籍だったので、新潟のお米やお魚、色んな食べ物がすごい恋しくなりました。お寿司が一番食べたいです。

――逆にベルギーでおいしかったものは

ベルギーワッフル。元アルビの本間至恩選手に教えてもらいました。

本間選手とは最近も一緒にご飯行きましたし、何度か会っています。お互いのチームの状況などを共有しながら色んな話をします。

初選出のA代表で「ワクワクさせるプレーを」

――日本代表に選ばれてどんなことを期待されていると思うか

日本代表はすごく強くて、海外で活躍している選手がたくさんいますが、そういう選手たちにないようなプレー、本当に自分にしかできないようなプレーを見せたいし、そういうことを求められていると思います。

今のサッカーはどちらかというとフィジカルや強度が高く評価されがちですが、自分の技術やアイデアというところで違いを出せていけたらなと思っています。

何かこう爪痕を残せたらいいし、見に来てくれるサポーターやファンの皆さんに「楽しかったな」と思ってもらえるようなプレーをしたいなと思います。

――ワクワクさせるプレーは新潟時代から変わらない

そういうところが自分の持ち味だったりプレースタイルだったりするので、そういったところを出したいなと思います。

――日本代表の中でのライバル

今、代表で10番のポジションやっている選手は、久保選手・鎌田選手・南野選手だったり、海外で5大リーグで活躍してる選手しかいないので、僕もそういうところに割って入るには、やっぱり5大リーグでも活躍するという説得力が必要だと思います。

そのためには代表でももちろん頑張りたいですが、まずは今いるチームで、ベルギーリーグでしっかりと結果を残していきたいなと思います。

――日本代表のイトウ選手はほかに3人(伊東純也選手、伊藤洋輝選手、伊藤敦樹選手)いるが…

僕は別に何も意識していないですが、色んな方たち、サポーター・ファンの方から「またイトウが入ってきた」というメッセージやコメントをいただくので、ほかのイトウという選手に負けないように僕も頑張りたいなと思います。

“日本のイトウ”というよりも、“日本代表といえば”というところに自分の名前が挙がってくるような選手にどんどんなっていかないとかなと思います。

――元日の試合はやっぱりゴールでアピールを

結果という部分ももちろんこだわりたいですし、ゴール・アシストいうところがすごく欲しいですけど、やっぱり記憶に残るようなプレーをしたいなと思います。

元日にやるので注目度が高いと思うし、本当にたくさんの方が注目する試合になると思います。

その中で初招集という僕が活躍すれば、もっとたくさんの方に注目していただけるのですごく楽しみにしています。

――対戦するタイ代表の印象は

日本でもタイ人の選手が活躍しているので、決してレベルの低い国ではないと思うし、そういったところで油断はいけない。まずはしっかりと自分のプレーを出していきたいと思います。

――元日以降もアジアカップやワールドカップ予選などが続く

代表に定着しないといけないと思いますし、選ばれたからには一回だけではなく、もっともっとたくさんの日本代表戦に呼ばれるように頑張りたいと思います。

――代表に選ばれたという点では一つ夢が叶った

夢が叶ったのももちろん、小さい頃から日本代表に入るという夢を持っていましたけど、まあこれからですね。

正直通過点というか、選ばれるのがゴールではなくて、ここからがスタートだと思って頑張りたいと思います。

――代表として見据える先は

もちろんワールドカップに選ばれるように。前回大会のワールドカップで非常に感動や刺激をもらった一人なので、次は僕があの舞台にしっかり立って皆さんを感動させたいと思います。

――代表での目標は

W杯優勝ですね。目指すところはそこしかないし、まずはしっかりと目の前の日本代表に定着するというところに僕はフォーカスしたいなと思います。

――今回の招集でともにプレーするのが楽しみな選手は

たくさんいますが、海外でやっている選手たちに5大リーグで活躍されている選手。今回、ブンデスリーグでプレーする選手がたくさんいるので、そういう選手とやるのはすごく楽しみです。

強度という部分はすごく参考になると思うので、そういったところをしっかりと学べたらと思います。

――今後の抱負を

まず、しっかりベルギーリーグで活躍するというところと、あとは5大リーグにしっかりとここからステップアップできるように。日本代表に定着するには、やっぱり5大リーグで活躍するというのが僕は必須条件だと思っています。

まずはしっかりとベルギーリーグで活躍するというところにフォーカスしてやっていきたいと思います。

――新潟のファンにメッセージを

いつも温かいサポートや応援メッセージなどありがとうございます。今回ビッグスワンではないですが、たくさんの人たちに見てもらいたいと思っています。

テレビの前や現地に足を運ぶ人たちに本当に来て良かったなと思ってもらえるようなプレーをしたいと思ってるので、ベルギーリーグもそうですが、陰ながら応援してほしいと思います。

新潟サポーターの皆さんの耳に届くような結果をベルギーリーグでも残したいなと思います。