高校日本最速目指すスプリンターは元卓球部!? 速さの秘密に迫る「将来は日本代表する選手に」【新潟】

5月の新潟県総体・陸上男子100mの準決勝で去年のインターハイ王者が持つ県高校記録を更新した三条高校の鶴巻陽太選手を取材しました。
5月の新潟県総体・陸上男子100mの準決勝で去年のインターハイ王者が持つ県高校記録を更新した三条高校の鶴巻陽太選手を取材しました。

7月18日。8月のインターハイに向け練習していた三条高校3年の鶴巻陽太選手。

【三条高校3年 鶴巻陽太 選手】
「足が痛いので、そこをどう乗り越えていくか。(調子を)これから上げていく感じ」

左太もも裏の張りを抱えながら試合に挑んでいる今年。

万全な状態ではありませんでしたが、5月の県高校総体では、ラスト10mほどで横を見て力を緩めたにも関わらず、男子100mの準決勝で10秒36をマーク。

東京学館新潟に通っていた去年のインターハイ王者・関口裕太選手(現早稲田大学1年)の持つ県高校記録を0秒01更新しました。

【三条高校3年 鶴巻陽太 選手】
「準決勝の組が結構レベルの高い組で“ここは本気を出さないといけないな”と思って、気合いが入っていた」

練習を取材中ウォーミングアップでトラックを走る鶴巻選手に併走して撮影しようと試みますが、全力で走ってもついていくことができず…。

【三条高校3年 鶴巻陽太 選手】
Q.何割くらいで走った?
「今は6割くらいで。足が痛くて、あんまり出せないので」

2日前の大会で左太もも裏の張りが再発したため、この日はトレーニングルームでの練習が中心に。

きれいなフォームで走るために必要な体幹のトレーニングなど約2時間という限られた時間の中で効率的に練習を行います。

【三条高校・陸上部 佐藤友 主将】
「メリハリもついていて、練習をしているときも雰囲気づくりをしていて、しっかりしているし、つらい練習のときも手を抜かずに全力でやっている」

今は指導者の下、充実した練習を行っていますが、中学時代はというと…

【三条高校3年 鶴巻陽太 選手】
「中学校に陸上部がなくて、1人で自主練のような感じでやっていた。顧問の先生がいなくて、よく分からなかったので、とりあえず走ることだけやっていた」

卓球部に所属しながら独自に練習を重ね、中学3年生のころには全国大会の出場権を獲得。しかし、新型コロナの影響で出場を断念しました。

【三条高校3年 鶴巻陽太 選手】
「部活ではないので、自分一人で行くことになる。責任も重くなるのかなと思ってやめた。全国に行けていなかったので、ちょっとやりきれない感があった」

その悔しい思いを胸に三条高校に進学し、去年のインターハイ100mでは2年生ながら6位に。

そんな鶴巻選手の爆発力の源が自転車をこぐ練習です。軽いペダルを全力で20秒こぎ、40秒休憩を1セットとして3セット。一日の最後に全力を出し切ります。

【三条高校3年 鶴巻陽太 選手】
「疲れた。キツい」

ここで、斎藤アナウンサーもこの練習に挑戦。

【三条高校・陸上部 遠山和志 先生】
「目標の回転数は200」

1回目の結果は…

【三条高校・陸上部 遠山和志 先生】
「174!たぶん小学生の女子くらいのレベル。慣れもあるので、やっていくうちにコツをつかんで数値はすぐに上がると思う」

残りの2回も必死にペダルをこぎますが…

【三条高校・陸上部 遠山和志 先生】
「さっきよりいい。175」

3セットやっても結果はほとんど変わらず。

【三条高校・陸上部 遠山和志 先生】
「ずっと同じ数字が並んでいるので、まだまだ出し切れていない。エネルギーが残っている。この数字は一般男性でいうと、ちょっと弱い。陸上部だと240は超えてほしい」

もちろん鶴巻選手は1分間あたりの回転数はすべて240超え。足の痛みは抱えていますが、最後のインターハイでは頂点を目指します。

【三条高校3年 鶴巻陽太 選手】
「やっぱり優勝。タイムは自分の10秒36を塗り替えて、10秒2台でフィニッシュしたい」

そして、その先に見据えるのは。

【三条高校3年 鶴巻陽太 選手】
「世界陸上とかオリンピックとか、大人になったら出たいなと思う。将来は日本を代表する陸上選手になりたい」最終更新日:Mon, 31 Jul 2023 19:20:08 +0900