記録的な豪雨から約1年2カ月 村上・小岩内地区の避難指示10月1日に解除も消えぬ不安…【新潟】

去年8月の豪雨で甚大な被害を受けた新潟県村上市小岩内地区に出されていた避難指示が10月1日に解除されます。仮設住宅から自宅に戻れる喜びだけではない、複雑な思いが住民にはありました。
去年8月の豪雨で甚大な被害を受けた新潟県村上市小岩内地区に出されていた避難指示が10月1日に解除されます。仮設住宅から自宅に戻れる喜びだけではない、複雑な思いが住民にはありました。

【村上市 高橋邦芳 市長】
「10月1日日曜日、午前9時をもって避難指示の解除を行いたい」

去年8月の豪雨で土石流が発生した村上市・小岩内地区。

36世帯127人に出されていた避難指示の10月1日での解除が9月26日に発表されました。

このうち、小岩内地区の自宅に戻る29世帯は、10月中に仮設住宅を出ることになります。

【小岩内地区 前区長 松本佐一さん】
「皆さん、やっと帰れるかなと安心」

前の区長、松本佐一さんは、自宅に被害がなかったものの、地区全体に避難指示が出たことから約1年にわたって仮設住宅での生活を送りました。

中でも、この夏の猛暑は大変だったと話します。

【小岩内地区 前区長 松本佐一さん】
「(仮設住宅周囲の)舗装とかも焼けて、跳ね返りの暑さなんだけど。皆さん、家の中に入って、クーラーをかけてしのいだ」

不慣れな生活の中でも、小岩内地区の33世帯が入居した仮設住宅ではコミュニティが維持されました。

【小岩内地区 前区長 松本佐一さん】
「こちらに来ても、小岩内にいた通りに皆さんに声をかけて、顔をあわせて、外で集まって話をしたりしていた」

もともと、人と人とのつながりの強かった小岩内地区ですが、全壊となった6世帯は小岩内を去る決意しました。

小岩内に戻る住民にも大雨への不安がなくなったわけではありません。

【小岩内地区 前区長 松本佐一さん】
「去年、災害にあって怖い思いをした。本当に小岩内は土石流がいつ起こるか分からないので」

【松村道子キャスター】
「小岩内地区です。きょうも工事車両が行き交っています。今後の雨に備え、被害の大きかった地域には雨量計が設置されました」

去年の豪雨では1人の犠牲者も出さなかった小岩内地区。今後、大雨が降った際には雨量計のデータを活用しながらも、肌で感じる危険性も大事に、必要に応じて早めの避難をしたいと考えています。

【小岩内地区 前区長 松本佐一さん】
Q.自宅に戻ったら何をしたい
「植物を育てる。また、好きなものを育てていきたいし、皆さんと公会堂の周りで話ができるようにしたい」

【村上市 高橋邦芳 市長】
「避難指示が解除したから終える話ではなく、これまで以上に、これから小岩内区にお戻りいただくわけですから、丁寧な対応が必要だと思っている」最終更新日:Tue, 26 Sep 2023 18:45:36 +0900