クラブ名変更と元日本代表・本田圭佑獲得の舞台裏とは…是永大輔チェアマンが語る生き残り戦略と新潟への思い

シンガポールのサッカークラブ「FCジュロン」のチェアマン是永大輔氏が新潟で取材に応じた。かつてアルビレックス新潟シンガポールとして親しまれたクラブは、2026年にクラブ名を変更し、さらに元日本代表・本田圭佑の加入も発表した。大きな話題が続いた背景には、一連の戦略があった。クラブ経営の考え方に加え、新潟への感謝や恩返しへの思いも語った。
NST新潟総合テレビ

シンガポールのサッカークラブ「FCジュロン」のチェアマン是永大輔氏が新潟で取材に応じた。かつてアルビレックス新潟シンガポールとして親しまれたクラブは、2026年にクラブ名を変更し、さらに元日本代表・本田圭佑の加入も発表した。大きな話題が続いた背景には、一連の戦略があった。クラブ経営の考え方に加え、新潟への感謝や恩返しへの思いも語った。

■クラブ名変更と本田圭佑の加入ー2つを連動させた緻密な設計

是永大輔氏

2026年、アルビレックス新潟シンガポールはFCジュロンへと名前を変えた。その背景にはAFC(アジアサッカー連盟)のレギュレーション対応があるが、チェアマンの是永大輔氏は「変えるなら中途半端ではなく、しっかりFCジュロンにしたかった」と話す。

ジュロンはシンガポール西部の地名で、工場が多く、中心部から遠いという印象を持たれがちな地域だという。それでも、魅力あるクラブをつくることで、人が集まる場所に変えていきたいという思いを込めた。

本田圭佑選手 画像提供:Albirex Niigata FC (S)

ただ、改名だけで大きな広がりを生むのは難しい。そこで結果的に重なる形になったのが、元日本代表・本田圭佑の獲得発表だった。

「改名のニュースそのものは、本田選手の加入によって強く印象づけられた。でもそのおかげで、FCジュロンという名前も一気に世界へと広まった」

元日本代表の本田圭佑をどのようにして獲得したのか、その接点はチャリティーマッチの構想を話し合う中で生まれたと振り返る。

「今年がシンガポールと日本の国交樹立60周年の年で、チャリティーマッチをするにしても結構お金かかるな、誰がお金出すんだろうって。うちのクラブだけでも結構大変なので、どうしようかなという話を本田選手と2~3週間ぐらいしていて。その流れの中で、『でもプレーはしたいんです』みたいなことを言うから、『じゃあプレーしたいんだったらうちでどうですか』と。そこから話が始まった」

本田側の意向を形にし、FCジュロンへの加入が決まった。

「どうせやるんだったら、彼の希望というか思いも『クラブの深いところに関わりたい、土台を作っていきたいんだ』ということを言ってくれたので、それはもうありがたいと。あんなに経験を持った選手は、すべての日本人の中でもほとんどいないから」

本田について「まっすぐで、嘘をつかない人」と評する是永氏。注目を浴びる一方で、単なる話題づくりではないとも強調した。

「男気を持ってうちのクラブで一緒にやってくれるということを決めてくれたわけなので、上っ面なマーケティング要素とかでは使いたくないなって思っている。ただ、そうやって夢を見せるということも大切なことだと思うので、クラブの存在意義として。なので、どんどん活躍してほしい」

■新潟への恩返し、そして「インドとのハブ」という新たな夢

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一方で、長年クラブ名として親しまれていた『アルビレックス新潟』の文字がクラブ名からは消える。それでも、是永氏の新潟への思いは変わっていない。

アルビレックス新潟の社長を務めた2年間で、特に忘れられないのが、敗戦後にサポーターからかけられた言葉だという。

「責められると思っていたのに、『私に何ができますか』と言ってもらえた。あれは本当に涙が出るくらいうれしかった」

当時、経営危機に陥っていて、チーム浮上のきっかけがつくれずにいる中での温かい言葉・思いは今も強く心に残っているという。だからこそ、何か新潟に恩返しがしたい…。

その一つとして、是永氏が進めているのがインドとの連携だ。FCジュロンに、インドのスポーツマーケティング会社が資本参加することが決まった。

是永氏は「15億人のうち、100人に1人でもうちに関心を持ってくれたら1500万人になる」と笑いながら話すが、その発想は本気だ。そこから新たなつながりを生み出し、新潟にも還元していきたいという思いがある。

実際に26年4月には、その会社のディレクターを新潟に招いた。街の様子を見た相手が「人が道を歩いていない」と驚いたことで、改めて人口規模の違いを実感したという。

将来的には、インドの航空会社がFCジュロンのスポンサーとなり、新潟とインドの直行便が生まれるような展開まで思い描いている。

「夢しかない。お金はないけど」笑いながら語る一方で、是永氏の目は本気だ。

■サッカーへの強い思いと感謝の気持ち

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「新潟という土地が大好きで、アルビが100年続いてほしいと心から思っている」

是永大輔を動かしているのは、華やかな実績だけではない。サッカーへの強い思いと、お世話になった人たちへの恩返し。その2つが、今の挑戦を支えているように見えた。

地方クラブが生き残るために、「ここでなければならない理由を持てるかどうかだ」と語る是永氏。

ビッグクラブが存在感を増す時代だからこそ、その言葉は地方クラブにとって一つの示唆になりそうだ。

(新潟ニュースNST編集部)

最終更新日:Fri, 29 May 2026 19:36:30 +0900