

豚汁と中華麺。意外な組み合わせに思えるが、新潟県妙高市の人気店「とん汁たちばな」では、この組み合わせが大人気だ。その名も「とん汁ラーメン」。全国放送のテレビ番組でもたびたび紹介されるこの店は、看板メニューのとん汁を中心に多くのファンを魅了している。行列ができることも珍しくない名店の人気の秘密を探った。
■とん汁と中華麺が相性抜群 人気の「とん汁ラーメン」

この店で定食に次ぐ人気メニューが「とん汁ラーメン」だ。特製の味噌ラーメンに、たちばなのとん汁をかけた一杯で、多くのファンを魅了している。

また、中華麺を使ったメニューはほかにもある。「ぶっかけ」は、とん汁をそのまま中華麺にかけた一品。「とんそば」は、やや濃いめに仕上げたとん汁をつけ汁にしたつけ麺スタイルだ。残ったつけ汁にご飯を入れて楽しむ人も多いという。
和食の代表格ともいえるとん汁と中華麺の組み合わせに驚く人もいるかもしれない。しかし、一度食べれば、その相性の良さに納得するはずだ。
■看板メニューはやっぱり「とん汁定食」

こうした麺メニューのおいしさを支えているのが、店の看板であり原点でもある「とん汁」だ。

全国放送のテレビ番組でもたびたび紹介される「とん汁たちばな」。店名にもなっているとん汁は、多くの著名人や観光客を引きつけてきた名物だ。
一般的な豚汁といえば、豚肉やダイコン、ニンジン、ゴボウなど、さまざまな具材が入ったものを思い浮かべる人が多いだろう。しかし、たちばなのとん汁に使われる具材は、豚肉、豆腐、タマネギのわずか3種類。

そこに特製の白味噌と少量のだし汁、塩だけだ。
その作り方も独特だ。一般的な豚汁は具材を炒めてからだし汁で煮込み、最後に味付けをする。しかし、この店では具材を炒めない。まず、ほんの少しのだし汁で溶いた特製の白味噌と塩を鍋に入れ、その中で豚肉を煮ていく。つまり、味付けは一番最初の工程なのだ。
驚くのは、そのだし汁の少なさだ。約17人前を作るにもかかわらず、鍋の中の水分は豚肉がかろうじて浸る程度しかない。

豚肉にある程度火が通ったら、「たちばな」の最大の特徴である大量のタマネギと、豆腐を加えじっくりと煮込んでいく。
しばらく煮込むと、山のように入れられたタマネギから水分と甘みが引き出され、たちばなならではのとん汁が完成する。濃厚で優しい甘みを持つ味わいは、シンプルな材料と独自の調理法によって生み出されている。
■レシピを公開 愛され続ける名店の太っ腹な姿勢

全国放送にもたびたび登場するたちばなは、看板メニューであるとん汁のレシピを惜しみなく公開しているのだ。
インターネットで検索すれば家庭向けの量で作れるレシピがいくつも出てくる。その太っ腹な姿勢もまた、多くの人に愛される理由の一つとなっている。
■地元産「龍の瞳」を使用 とん汁に合う米を追求

この店では、米にも強いこだわりを持っている。使用しているのは、妙高市産のブランド米「龍の瞳」。
店主が、とん汁に最も合う米を探し続けた末にたどり着いたのが、この「龍の瞳」だったという。
「龍の瞳」は一粒一粒が大きく、しっかりとした甘みが特長。さらに、独特の香りも楽しめる。とん汁との相性も抜群で、そのおいしさを一層引き立てている。松澤さんによると、レンゲですくったご飯をとん汁に浸して食べる人も多いという。
■行列必至 妙高を代表する人気店
たちばなではとん汁定食の他にも、野菜炒めやチャーハン、焼肉などの定食もある。おまけに、とん汁のテイクアウトもできる。取材日にも地元のお客がテイクアウトに訪れていた。
休日はもちろん、平日でも昼時には行列ができることが珍しくない。店主の松澤さんによると、比較的入りやすいのは平日の夜とのこと。
豚汁の常識を覆す一杯と、それを生かした個性豊かな麺メニュー。妙高を訪れた際には、一度味わってみたい名店だ。
最終更新日:Fri, 04 Sep 2026 20:00:00 +0900




