

「朝は晴れていたのに…」と、突然の雨に慌てた経験はないだろうか?近年はAIやビッグデータの技術を活用して、高精度に気象を予測するようになったが、気象庁のような組織がなかったころは暦や空・風などで天気を予測していたという。つまり、空を見れば天気下り坂のサインが分かる時があるのだ。どんな雲を見たら注意が必要なのか、NST News タッチの石黒菖気象予報士に話しを聞いた。
■空を読む「観天望気」
空を観察して天気を予測する「観天望気」。現在のように気象予報技術が発達する以前は、この方法を頼りに天気を読んでいた。石黒さんが気象予報士として、日頃から特に注目しているのは「雲の変化の速さ」だという。
「雲の動きや変化が早いときは、その分天気も変わりやすい可能性があるので、空のスピード感は重視している」
すべてを読み取れるわけではないが、様々な気象条件がそろってできる雲には大きなヒントが隠れているようだ。
■かなとこ雲は「すでに危険」のサイン

梅雨の時期に特に注意したい雲が「積乱雲」だ。強い上昇気流が起こり、30分ほどで竜巻やひょうといったシビアな気象をもたらすことがある。その積乱雲の中でも最も発達した状態が「かなとこ雲」だという。
積乱雲の雲頂が水平に広がり、金属加工に使う台「かなとこ」のような形に見えることからその名がついている。雲頂が対流圏界面(雲がそれ以上発達できない大気の限界)に達した状態なので既に積乱雲としてはピークの状態となる。
「この雲が現れている時点で、すでにその雲の下では大雨になっていたり、雷雨になっている可能性が高い」とのこと。
どのくらいの距離感が危険と判断すべきなのか。石黒さんは「雲の全体の姿が見えるくらい離れていれば大丈夫かなと思うが、ダウンバーストなどが発生する可能性もあるので近寄らないことが大切」だという。
ダウンバーストとは、強い下降気流が地面にぶつかって周辺に広がる突風のこと。雲の真下でなくても影響を受ける危険があるのだ。
■うろこ雲・羊雲は翌日の崩れを示唆

かなとこ雲ほど緊急性はないものの、天気下り坂のサインとして知られるのが「うろこ雲(巻積雲)」と「羊雲(高積雲)」。見た目は似ているが、うろこ雲のほうが少し高い上空にできる。
簡単な見分け方について、石黒さんは「手を伸ばして、一つの雲が小指で隠れてしまうくらいであればうろこ雲、小指よりも大きい雲であれば羊雲と言われている」と説明する。
これらの雲が現れてもすぐに天気が崩れるわけではないが、翌日などに崩れることがあるという。
「雨が降るときは上空の高いところから湿った空気が入ることが多く、その際に発生しやすい雲だから。もちろん、崩れないこともある」
■太陽の周りの輪「ハロ現象」にも注目

「ハロ」とは、太陽の周りに虹色の輪ができる現象のこと。雲の中の氷の粒に太陽の光が屈折することで起こる事象で、「雨のサイン」だと言われている。
「温暖前線など前線が近づいてきているときは、まず上空の高いところから雲ができるため、ハロが現れやすい」と話す石黒さん。
ただ、前線が近づいていなくても上空に湿った空気が入ることで発生することもあり、必ずしも雨になるとは限らないという。
■「急に冷たい風が吹いたら要注意」
石黒さんは雲だけでなく、風にも注意してみて欲しいと話す。
「急に冷たい風が吹いてきたときは天気急変の前触れの可能性がある。積乱雲が成長すると強い下降気流とともに雨が降り出すが、その際に吹く風の可能性がある」
大気が不安定なときは、たとえ晴れていても短時間で天気が急変することがある。空の変化に目を向けながら、こうしたサインを日頃から意識しておくことが身を守ることにつながりそうだ。
(新潟ニュースNST編集部)





