「親から子へ」気づかぬうちに感染?胃がんリスク高める“ピロリ菌” いち早く見つけ除菌を「胃がん減らす一番の方法」

感染すると胃がんなどのリスクを高めるものの、感染に気づかないことも多いというピロリ菌。その早期発見や対処法について医師に聞いた。
NST新潟総合テレビ

感染すると胃がんなどのリスクを高めるものの、感染に気づかないことも多いというピロリ菌。その早期発見や対処法について医師に聞いた。

■ピロリ菌で発症する“萎縮性胃炎”

ピロリ菌

つい最近まで日本人の2人に1人が感染すると言われてきた“ピロリ菌”。

放置すると胃がんなどにつながるリスクが高まる一方で、感染していることに気づかない人も多いという。

ピロリ菌とはどんな菌なのか…消化器やがんについて研究している県労働衛生医学協会の成澤林太郎先生は、ピロリ菌について「らせん菌というらせん状の小さい細菌。人の胃の中にしか住めないという特徴を持った細菌」と説明する。

萎縮性胃炎

感染した場合、ほとんどの人が発症するのが、萎縮性胃炎だ。

「萎縮性胃炎が起きると粘膜が薄くなってしまうので、ひだが消える。症状は通常出ない」

正常な胃の粘膜と比べるとひだが消え、血管が透けて見えるように。

症状が出ないまま進行することで胃の粘膜がどんどん薄くなり、それが胃全体に広がっていき、胃がんになりやすい状態になるという。

■感染経路は「ほぼ親から子ども」

県労働衛生医学協会 成澤林太郎 先生

多くの人が気づかぬうちに感染しているピロリ菌は、いつどこで感染するのか。

成澤さんは「多くの症例は幼少期に感染して、知らぬ間に持続感染して胃炎が進んで行くという状況。昔、井戸水を飲んでいた時代に、飲んでいた井戸水の中に何らかの原因で生きているピロリ菌が入っていたときに感染する可能性がある」と話す。

人から人へと移る場合も

ただ、今の日本のように上下水道が完備された状態では水道水が原因で感染することはないとされている。

「今の日本の形態はほとんど親から子ども。普通の生活をしていれば移らないが、たまたま歯こうの中にピロリ菌がいるような人で、かみ砕いて食べさせると移ってしまう」

ピロリ菌に感染している親などがかみ砕いたものを乳幼児などに与えることで、人から人へと移る場合があるという。

ただ、同じ箸を使う程度では感染の心配はない。

■胃がんの主な原因に「99%はピロリ菌に感染」

喫煙など加わるとリスク高まる

症状がなく、気づかないうちにピロリ菌に感染していたらどんなリスクがあるのか…。

成澤さんは「胃がんの99%はピロリ菌に感染した人から出ると言ってほぼ間違いない」と言い切るように、胃がんの主な原因でもあるピロリ菌。

感染した人のうち、喫煙などが加わるとリスクが高くなるので、最もリスクの高い人たちで1割近くが胃がんになると言われている。

「ピロリ菌に感染していることが分かれば、将来的に胃がんになりやすいと分かる。ピロリ菌がいるかいないかは、ものすごく大事」と成澤さん。

その判断をするために重要となるのが人間ドッグなどの検診だ。

■“2つの検査”で正確な診断を

“2つの検査”が重要

検査では、2つの検査を組み合わせることがポイント。

1つだけだと誤った結果が出る場合があるため、内視鏡と抗体検査、または抗体検査とレントゲンなど画像診断を組み合わせることで正確に診断できるという。

「1つの方法で100%と言い切れないのが、ピロリ菌の診断の方法で非常に難しいところ」

2つの検査を受けて正確な診断結果を得ることが重要だ。

■陽性の場合は“除菌療法”でピロリ菌排除

除菌療法

もしも検査の結果が陽性だった場合は「除菌療法という薬を飲んでピロリ菌を胃から排除する方法がある。日本だと保険診療で認められている」という。

薬を1週間飲み続ける一次除菌では8割から9割の人がピロリ菌を除菌可能。

一次除菌で除菌できなかった人には、薬を1種類だけ変えて、二次除菌を行うが、二次除菌を含めると最終的には、おおむね95%の人は除菌される。

成澤さんは「いかに若い段階でピロリ菌がいるかどうかを見つけて陽性なら除菌する。それが胃がんを減らす一番の方法」と指摘する。

無症状のまま病気を進行させることが多いピロリ菌。いち早くピロリ菌の感染を見つけるためにも、一度検診を受けることが重要だ。

成澤さんは「陽性と分かった人は次のステップとして除菌が保険診療でできる。内科、胃腸科などに受診してピロリ菌を除菌してもらう。ぜひやっていただきたい」と呼びかけている。

最終更新日:Fri, 05 Jun 2026 05:00:00 +0900