

5月14日に告示された新潟県知事選挙。この知事選では、柏崎刈羽原発の再稼働をめぐる議論が争点の一つに上がっている。 与野党の国会議員と産経新聞の水内茂幸編集長が対談し、原発政策の課題と“地元同意”のあり方をめぐって議論を交わした。
■“メイドバイ新潟”の電気 柏崎刈羽原発と消費地の温度差

新潟県柏崎市と刈羽村に位置する東京電力・柏崎刈羽原子力発電所。4月16日に福島第一原発事故後、初めて6号機の営業運転が再開された。
この原発で生まれた電力の多くは首都圏に送られている。ただ、この原発の再稼働をめぐっては、約14年もの間、再稼働の賛否を含めた議論が行われた。
新潟県小千谷市出身の産経新聞・水内茂幸編集長は、花角知事と面会した際のやりとりについて明かす。
「『柏崎刈羽で作った原発の電気は全部東京に行っている。東京の方はもっとそれを知ってほしい』と話していた。僕自身、東京に住んでいて電気料金がどんどん上がっている実感はあるが、柏崎刈羽原発がどれだけ影響しているかを正確に知っている人はまだ少ない。“メイドバイ新潟”の電気であることを、もう少し分かってほしいとは思う」
■原発支援策めぐり分かれる見解

26年度予算でも、原発に関連する予算が計上された。しかし、この原発に関する国の支援策について与野党の国会議員で評価が分かれた。
選挙区に原発が立地している自民党の鷲尾英一郎衆院議員は、水内氏が指摘した国民に知ってもらうためのPR予算が26年度予算に盛り込まれているとした上で、「経産省が避難道についての自治体負担分を補填するというのは、かつてない措置。義務だけ課されて条件が不公平な自治体、例えば30km圏内に入っていても、立地給付金が届いていない地域の問題についても、東電の1000億円の拠出を活用して条件不利を是正していく方向だ。国が責任を持って前面に立つという決意は、過去にないレベルだと思う」と国が前面に立って対策を立てた予算であることを強調した。

中道改革連合の西村智奈美衆院議員も避難経路の整備に努力していることを評価する一方で「上空からの脅威に対する防護体制はまったくないし、東電からの拠出金の使い道も初年度からまだほとんど決まっていない」など課題を指摘し、支援策の実効性に疑問を呈した。
ただ、2人ともエネルギー政策は国が主導していることから、再稼働に関する理解促進を自治体に投げるのではなく、国が責任を持ってやるべきとの意見は共通していた。
■再稼働の条件は「ちょっとずつ欠けている」

水内氏は中道改革連合の原発再稼働に関するスタンスを西村氏に問うた。
「中道は『安全性・有効な避難計画・地元同意』の3つの条件を満たせば再稼働を認めるという方針を示しているが、柏崎刈羽原発は現状でその条件を満たしていると思うか」
この問いに対して、西村氏は3項目とも欠けていると指摘した。
「ちょっとずつ欠けている。安全性については、避難計画や防護施設をつくること自体が『100%安全ではない』という前提に立ってのことだから、そこは少し欠けている。有効な避難計画についても、晴れた日の昼間ならともかく、豪雪の中で本当に避難できるかという気象条件を重ねると問題がある。そして地元同意については、花角知事が『職を賭して信を問う』とおっしゃったこと、それが果たされていないという意味で、すごく欠けていると思っている」

一方の鷲尾氏は、原発の安全性については、不断の努力で高めていく必要があるとした上で、その分野に精通した人が集まる原子力規制委員会が認めている以上、率直に認めると回答。
ただ、「色んな人の話を聞けば聞くほど○か×かという単純な議論ではないと思っている」と話した。
そして、知事選で争点に上がっている知事の発言については「その立場にある人間が意見集約した上で、物事を前に進めていくというのはものすごく大事。花角知事の判断は、5月31日に行われる県知事選挙で皆さんからもご評価いただく一つの項目だろうかというふうに思う」と述べた。
原発再稼働をめぐる議論は、新潟県内で長く続いてきた論点の一つだ。現職が再稼働を容認してから初めて迎える知事選。新潟県民がどのような判断を下すのか注目される。新潟県知事選は5月31日に投開票が行われる。
最終更新日:Thu, 14 May 2026 11:30:00 +0900



